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09月22日-05号

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  1. 神奈川県議会 2005-09-22
    09月22日-05号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    平成17年  9月 定例会 △《本会議録-平成17年9定-20050922-026015-諸事項-出席議員等・議事日程-》                 9   月   神 奈 川 県 議 会         会 議 録 第 5 号                定 例 会〇平成17年9月22日 午後1時20分開議   ───────────────────────────────────────   〇本日の出席議員 議長共105名       出 席 議 員                       木   村   謙   蔵                       馬   場   学   郎                       山   本   俊   昭                       渡   辺   ひ と し                       いそもと   桂 太 郎                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       沢   木   優   輔                       福   田   紀   彦                       滝   田   孝   徳                       本   村   賢 太 郎                       齋   藤   健   夫                       仙   田   み ど り                       山   本   裕   子                       鈴   木   と も 子                       藤   間   明   男                       小 野 寺   慎 一 郎                       鈴   木   ひ で し                       赤   井   かずのり                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       小   林   常   良                       北   井   宏   昭                       大   井   康   裕                       安   藤       慶                       松   崎       淳                       大   村   博   信                       竹   内   栄   一                       福   田   泰   子                       ふ じ た   ち え こ                       長 谷 川   く み 子                       小   川   久 仁 子                       岩   崎   尊   之                       飯   田       誠                       嘉   山   照   正                       藤   井   深   介                       佐   藤       光                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       向   笠   茂   幸                       岩   本   一   夫                       吉   田   大   成                       伊   藤   と お る                       倉   田       仁                       茅   野       誠                       石   川   輝   久                       み   わ   智 恵 美                       木   内   ひ ろ し                       笠   間   茂   治                       山   田   泰   之                       金   子   武   雄                       星   野   剛   士                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       鈴   木   恒   夫                       安   藤   博   夫                       山   田   文   雄                       加   藤   たかひさ                       磯   貝   捷   彦                       舘   盛   勝   弘                       平   本   さ と し                       高   谷       清                       水   戸   将   史                       田   中       肇                       はかりや   珠   江                       河   野   幸   司                       川   上   賢   治                       木   内       要                       富   田   光   男                       此   村   善   人                       小   山   和   洋                       田   島   信   二                       矢   部   房   男                       古   沢   時   衛                       保   阪       努                       新   井   敏 二 郎                       松   田   良   昭                       榎   本   与   助                       牧   島       功                       ほ り え   則   之                       中   村   省   司                       大   木       哲                       手   塚   悌 次 郎                       安   斉   義   昭                       斉   藤   ゆ う き                       田   村   政   晴                       服   部   圭   介                       益   田   は や お                       新   堀   典   彦                       三   好   吉   清                       榎   並       寛                       桐   生   忠   一                       相   原   高   広                       国   吉   一   夫                       村   上   健   司                       久 保 寺   邦   夫                       斎   藤   達   也                       横   山   哲   夫                       山   田   吉 三 郎                       豊   島   き よ し                       内   田   あ き ら                       東   野   陽   子                       武   田   郁 三 郎       欠 席 議 員                       江   田       実       説明のための出席者         知         事   松   沢   成   文         副    知    事   尾   高   暉   重              同        大   木   宏   之         出    納    長   陳   岡   啓   子         理         事   寶   積   泰   之         総務部長          小   林       勲         企画部長          一   杉   雄   二         安全防災局長        村   山   正   和         県民部長          山   本   正   人         環境農政部長        加   藤       進         保健福祉部長        大   崎   逸   朗         商工労働部長        羽   田   愼   司         県土整備部長        山   田   秀   一         出納局長          山   本   隆   夫         労務担当部長        横   田   和   浩         行政改革担当部長      古 尾 谷   光   男         広域行政担当部長      田   中   克   己         人権・団体広聴         担 当 部 長       村   山   瑛   子         廃棄物総合対策担当部長   森   田   茂   實         次世代育成担当部長     鳴   田   謙   二         総務部副部長        古   谷   幸   治         企画部副部長        國   守   英   和         安全防災局副局長      酒   井   俊   夫         県民部副部長        近   藤   晶   一         環境農政部副部長      嶋   田   幸   雄         保健福祉部副部長      宮   内   喬   夫         商工労働部副部長      松   藤   静   明         県土整備部副部長      萩   原   克   彦         人事課長          藤   井   良   一         財政課長          吉   川   伸   治         税務課長          笹   本   秀   行         教育委員会委員長      平   出   彦   仁         同  教育長        引   地   孝   一         同  教育局長       前   田   重   一         同  教育政策担当部長   黒   川   雅   夫         同  学校教育担当部長   阿 久 澤       栄         警察本部長         伊   藤   茂   男         警察本部総務部長      吉   度   恒   雄         同  会計課長       岡   野   良   則         人事委員会事務局長     北   見   好   惟         監査事務局長        渡   部       胖         労働委員会事務局長     山   本   雄 太 郎         選挙管理委員会書記長    清   田   浩   史         収用委員会事務局長     高   瀬   正   美         公営企業管理者企業庁長   石   田       稔         企業庁管理局長       藤   島       進         同  水道局長       平   松       博         同  利水局長       飯   岡       隆         病院事業管理者         病院事業庁長        堺       秀   人         病院事業庁病院局長     栗   原   匡   賢   ───────────────────────────────────────          議会事務局出席者         議会事務局長        西   森   義   博         同  副事務局長      久 保 寺   啓   二         同  総務課長       鈴   木   利   雄         同  議事課長       堤           勝         同  調査課長       神   保   直   也   ───────────────────────────────────────                 神奈川県議会9月定例会議事日程第5号                            平成17年9月22日午後1時開議 第1 定県第 196号議案 工事請負契約の締結について(小田原高校新築工事(建築)請負契約)第2 定県第 123号議案 平成17年度神奈川県一般会計補正予算(第4号)   定県第 124号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計補正予算(第1号)   定県第 125号議案 長期継続契約を締結することができる契約を定める条例   定県第 126号議案 神奈川県市町村合併推進審議会条例   定県第 127号議案 神奈川県都市農業推進条例   定県第 128号議案 神奈川県行政機関設置条例の一部を改正する条例   定県第 129号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 130号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 131号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 132号議案 神奈川県交通安全対策会議条例の一部を改正する条例   定県第 133号議案 神奈川県衛生看護専門学校条例の一部を改正する条例   定県第 134号議案 神奈川県在宅重度障害者等手当支給条例の一部を改正する条例   定県第 135号議案 神奈川県建築基準条例の一部を改正する条例   定県第 136号議案 神奈川県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 137号議案 神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 138号議案 自動車保管場所証明書交付申請手数料等徴収条例の一部を改正する条例   定県第 139号議案 神奈川県環境基本計画の変更について   定県第 140号議案 工事請負契約の締結について(神奈川県防災行政通信網(移動無線系)整備工事請負契約)   定県第 141号議案 工事請負契約の締結について(神奈川県防災行政通信網衛星系県庁地球局整備工事請負契約)   定県第 142号議案 工事請負契約の締結について(神奈川県防災行政通信網(有線系)整備工事請負契約)   定県第 143号議案 工事請負契約の締結について(相模川流域下水道左岸処理場第1電気室電気設備工事請負契約)   定県第 144号議案 工事請負契約の締結について(厚木清南高校増築工事(建築)請負契約)   定県第 145号議案 工事請負契約の締結について(幸警察署新築工事(建築)請負契約)   定県第 146号議案 不動産の処分について   定県第 147号議案 指定管理者の指定について(相模湖交流センター)   定県第 148号議案 指定管理者の指定について(女性保護施設さつき寮)   定県第 149号議案 指定管理者の指定について(地球市民かながわプラザ)   定県第 150号議案 指定管理者の指定について(県民ホール)   定県第 151号議案 指定管理者の指定について(神奈川近代文学館)   定県第 152号議案 指定管理者の指定について(音楽堂)   定県第 153号議案 指定管理者の指定について(柳島青少年キャンプ場)   定県第 154号議案 指定管理者の指定について(藤野芸術の家)   定県第 155号議案 指定管理者の指定について(21世紀の森)   定県第 156号議案 指定管理者の指定について(札掛森の家)   定県第 157号議案 指定管理者の指定について(本港特別泊地及び本港環境整備施設)   定県第 158号議案 指定管理者の指定について(宮川特別泊地、宮川一時停係泊特別泊地及び宮川環境整備施設)   定県第 159号議案 指定管理者の指定について(青野原診療所、千木良診療所及び藤野診療所)   定県第 160号議案 指定管理者の指定について(芦ノ湖キャンプ村)   定県第 161号議案 指定管理者の指定について(かながわ労働プラザ)   定県第 162号議案 指定管理者の指定について(塚山公園)   定県第 163号議案 指定管理者の指定について(葉山公園及びはやま三ヶ岡山緑地)   定県第 164号議案 指定管理者の指定について(湘南海岸公園)   定県第 165号議案 指定管理者の指定について(相模湖公園)   定県第 166号議案 指定管理者の指定について(城ケ島公園)   定県第 167号議案 指定管理者の指定について(恩賜箱根公園)   定県第 168号議案 指定管理者の指定について(辻堂海浜公園及び湘南汐見台公園)   定県第 169号議案 指定管理者の指定について(観音崎公園)   定県第 170号議案 指定管理者の指定について(東高根森林公園)   定県第 171号議案 指定管理者の指定について(相模原公園)   定県第 172号議案 指定管理者の指定について(大磯城山公園)   定県第 173号議案 指定管理者の指定について(七沢森林公園)   定県第 174号議案 指定管理者の指定について(四季の森公園)   定県第 175号議案 指定管理者の指定について(座間谷戸山公園)   定県第 176号議案 指定管理者の指定について(秦野戸川公園)   定県第 177号議案 指定管理者の指定について(津久井湖城山公園)   定県第 178号議案 指定管理者の指定について(茅ケ崎里山公園)   定県第 179号議案 指定管理者の指定について(あいかわ公園)   定県第 180号議案 指定管理者の指定について(相模三川公園)   定県第 181号議案 指定管理者の指定について(由比ガ浜地下駐車場)   定県第 182号議案 指定管理者の指定について(片瀬海岸地下駐車場)   定県第 183号議案 指定管理者の指定について(湘南港)   定県第 184号議案 指定管理者の指定について(葉山港)   定県第 185号議案 指定管理者の指定について(真鶴港)   定県第 186号議案 指定管理者の指定について(厚生住宅、リロケーション住宅及び県営住宅)   定県第 187号議案 指定管理者の指定について(借上公共賃貸住宅)   定県第 188号議案 指定管理者の指定について(衛生看護専門学校付属病院)   定県第 189号議案 指定管理者の指定について(足柄ふれあいの村)   定県第 190号議案 指定管理者の指定について(愛川ふれあいの村)   定県第 191号議案 指定管理者の指定について(三浦ふれあいの村)   定県第 192号議案 指定管理者の指定について(相模湖漕艇場)   定県第 193号議案 指定管理者の指定について(スポーツ会館)   定県第 194号議案 指定管理者の指定について(相模原球場)   定県第 195号議案 指定管理者の指定について(山岳スポーツセンター)   県報第2号 専決処分について承認を求めること(平成17年度神奈川県一般会計補正予算(第2号))   県報第3号 専決処分について承認を求めること(平成17年度神奈川県一般会計補正予算(第3号))   県報第4号 専決処分について承認を求めること(神奈川県立の養護老人ホーム及び特別養護老人ホームに関する条例等の一部を改正する条例)第3 認第1号 平成16年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県病院事業決算の認定について第4 請願第70号 私学助成等について請願   請願第71号 神奈川県の乳幼児医療費助成制度拡充についての請願   請願第72号 二宮町桜美園周辺住民の健康を守るための請願   請願第73号 義務教育費国庫負担制度に関する請願   請願第74号 卒業式・入学式における国歌斉唱についての請願   請願第75号 新たな学校運営組織及び教員の「新たな職」についての請願第5 議員派遣について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成17年9定-20050922-026016-諸事項-諸報告-》    〔事務局長報告〕  出席議員 議長共82名 ○議長(牧島功君) 前日に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 本職あて文書が提出されておりますので、書記に朗読させます。〔書記朗読〕   ───────────────────────────────────────                                      財第112号                               平成17年9月22日 神奈川県議会議長 牧 島   功 殿                         神奈川県知事 松 沢 成 文議案の提出について 開会中の県議会9月定例会に提案する条例その他の案件を別冊のとおり提出します。   ───────────────────────────────────────   (請願:議事日程参照)   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 受理いたしました陳情書は、お手元に配付いたしました文書表のとおり、所管委員会に付議いたしましたので、ご了承を願います。  また、監査委員報告書が提出されておりますので、お手元に配付してありますから、ご了承を願います。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成17年9定-20050922-026017-質問・答弁-小林常良議員-一般質問①道路整備について②相模川の河川整備計画について③都市農業の推進について④高齢者対策について⑤治安対策について》 ○議長(牧島功君) これより日程に従い、審議を行います。  日程第1、定県第196号議案 工事請負契約の締結についてを議題といたします。  議案の朗読は省略いたします。〔本会議録巻末46頁参照〕  知事の説明を求めます。  松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) ただいま提案いたしました工事請負契約の締結についてでありますが、これは県立高校改革推進計画に基づく小田原高校の新築工事につきまして、今回契約締結の運びとなりましたので、議会の議決に付すべき事件等に関する条例第2条の規定により提案するものであります。  よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願いを申し上げます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 次に、ただいま説明のありました日程第1に日程第2及び日程第3をあわせ、一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  小林常良君。〔小林常良君登壇〕(拍手) ◆小林常良君 牧島 功議長のお許しをいただきましたので、自由民主党県議団の一員として、通告に従い、順次提案を交えながら一般質問をさせていただきます。  知事及び警察本部長におかれましては、具体的で明快なご答弁をお願い申し上げます。また、諸先輩、同僚議員におかれましては、しばしの間ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  質問の第1は、県内の道路整備についてお伺いいたします。  神奈川の県土づくりには、広域的な交通連携を促進する道路網の整備が欠かせないものです。特に県央部においては、さがみ縦貫道路、第二東名高速道路や国道246号バイパスなど、骨格幹線道路整備計画があります。中でも、さがみ縦貫道路は、神奈川県の南北の地域を結び、地域間の交流を円滑化させ、産業などの発展に大いに貢献する道路であり、さらに、首都圏中央連絡自動車道の一部区間を構成し、都心に集中する業務機能を適切に分散させ、地域の社会経済活動を促進するなど、首都圏発展に対しても重要な役割の一翼を担っております。  また、この自動車専用道路の整備により、一般の幹線道路にかかる負荷が軽減され、渋滞の緩和による走行時間の短縮や沿道の環境改善が図られることから、早期整備には県民の大きな期待が寄せられております。  さがみ縦貫道路は、これまで平成19年度に供用開始予定と伺っており、現在、その工事施行が進み、橋脚ができ上がってくるなど、着実な事業の進捗を実感していましたが、先般、さがみ縦貫道路の供用開始時期がおくれるという連絡が国土交通省から県にあったということが、神奈川県県土整備部から文書でありました。具体的には、海老名北インターチェンジから相模原インターチェンジまでは平成22年度供用予定の3カ年の延期が示され、茅ヶ崎の西久保ジャンクションから海老名北ジャンクションの間については、平成19年度以降で時期を調整中ということであり、明示されていない状況であります。  平成15年6月議会での私の一般質問で、さがみ縦貫道路の供用開始時期の問いかけに、知事は平成19年度を目途に進めると答弁されました。  そこで、知事にお伺いをいたします。  さがみ縦貫道路の供用開始がおくれる状況に至って、本県として国に対し、どのような申し入れを行ったのか伺います。また、神奈川の県土づくりの諸施策に大きな影響が出ると想定されます。おくれた理由と今後の見通しについてお伺いをいたします。  さがみ縦貫道路の整備がおくれることは、沿線地域に与える影響だけにとどまらず、さがみ縦貫道路に接続し、神奈川県の東西方向を結ぶ自動車専用道路である、第二東名高速道路や国道246号バイパスの計画にも影響を与えるのではないかと懸念しております。これらの路線の整備は、神奈川力構想・プロジェクト51や、かながわ交通計画などにも位置づけられており、県内の自動車専用道路網のかなめとなる重要な路線となっております。さらに、新たに整備されるインターチェンジ接続道路の整備にも影響があるのではないかと大いに心配をしております。  そこで、知事にお伺いをいたします。  さがみ縦貫道路の整備のおくれが、第二東名高速道路や国道246号バイパス、あるいは、さがみ縦貫道路へアクセスする道路の整備に及ぼす影響について、県としてどのように考えられているのかをお伺いいたします。  質問の第2は、相模川の河川整備計画についてお伺いをいたします。  申すまでもなく、昔から河川は、飲み水や農業用水などとして人々に多くの恩恵を与えてまいりました。一方、ダム建設や河川改修の治水対策が行われてきました。そして現在では、河川の環境は、都市に残された貴重な空間として、川の生態系そのものも守っていかなければならないという機運が高まっております。  このような環境に対する関心の高まりなどから、平成9年に河川法が改正され、法の目的には、治水・利水に加え、河川の特性と地域の風土・文化などの実情に応じた河川整備を図るため、新たに河川環境の整備と保全が位置づけられ、長期的な整備の方針である「河川整備基本方針」と、20年から30年の具体的な整備計画である「河川整備計画」を策定することになりました。  そこで、相模川の河川整備計画についてであります。一級河川である相模川は、国が河川整備基本方針を策定し、それに沿って、計画的に河川の整備を実施する区間について、河川管理者の国や県が河川整備計画を定めることとなります。本県では、平成11年度から調査を実施し、今般その調査にほぼめどがついたということから、こうした調査をもとに、国と連携して組織を立ち上げ、整備計画を策定する動きとなったと聞いております。  そこで、知事にお伺いします。  20年間から30年間の川づくりをしていこうという河川整備計画について、現在作業中と聞きますが、県として、相模川の治水と河川環境の整備と保全に関し、どのように考えているのかお伺いをいたします。  また、河川は河川ごとに異なる個性があることから、地域社会と河川のかかわりに配慮し、身近な存在である河川のあり方について、地域と情報を交換することは意義の深いことであります。このようなことから、河川法では、河川整備計画の策定に当たり、必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聞かなければならないことや、その必要性により、公聴会の開催等、関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないこと、また、関係都道府県知事や関係市町村長の意見を聞かなければならないことなどが規定されており、地域住民の意見が反映されることは非常に重要であると考えております。  例えば、河川環境について、散策やサイクリングロードの確保を初め、釣りやスポーツ広場やレクリエーションなどの余暇活動の場としての利用、河川敷を憩いの場とした河川公園の実現や舟の渡し場の復元などのほか、貴重な自然環境の保全として残してほしいという要望もあります。  また一方で、河川内の樹木の繁茂により、大雨のときの流木による被害の大きさを危惧する声や、不法投棄の場やホームレスの集まる空間となっており、社会環境の悪化の要因ともなり、地元住民より不安視する意見も強まってきています。  そこで、知事にお伺いします。  相模川の河川整備計画を策定するに当たって、こうしたさまざまな県民意見を計画に反映させることや、関係自治体の意見調整をどのように取り込んで河川とのかかわりを進めようと考えていられるのかを具体的にお伺いをいたします。  質問の第3は、都市農業の推進についてであります。  神奈川県の農業の現状を見ると、総農家戸数は昭和35年の7万3,873戸から平成15年の2万9,690戸へと一貫して減少し、農業生産の基盤である農地面積も減少の一途をたどり、この40年間で約3分の1にまで減少しております。農業就業者数も、昭和35年には、約12万人が農業に従事していましたが、平成15年には、その4分の1の2万9,350人にまで減少しております。また、専業農家率の低下と高齢化が著しく進行し、女性比率が高いこともあって、産業の弱体化につながっております。加えて、耕作放棄地は、輸入農産物の増加により、農業経営が困難になり、担い手不足も相まって、この耕作放棄地は増加傾向にあり、平成12年には1,445ヘクタールにも達しております。  このような、農業の活力の低下がとまらない一方で、県政モニター調査によると、「食料の生産と良好な環境を守るために神奈川の農業が必要だ」とする意見が89%あり、県民が本県農業に高い期待を持っていることがうかがえます。こうした県内農業を取り巻く状況のもと、県では、ことし3月、かながわ農業活性化指針を策定し、さらに、この9月定例会で、神奈川県都市農業推進条例が提案されています。  この条例は、昨年6月定例会において我が党の先輩の三好議員からの質問もあり、今後、神奈川の都市農業を推進していくための理念を明確にしたものと考えます。この条例では、県や農業者・関係団体の責務のほか、県民の責務などを明らかにし、県民一体となって農業生産力を高め、地産地消を柱としていくものであり、それにより農業経営が安定し、担い手の確保にもつながっていけばと期待するものであります。本県の都市農業の推進には、身近に住む県民の協力なくしては、県の基本的な施策が進まないのは当然の理であります。  そこで、提案されている、神奈川県都市農業推進条例について、県民に対してどのように周知と協力を求めていくのか、知事にお伺いをいたします。  我が国は、年間4兆4,000億円に上る農畜産物を輸入する世界最大の輸入国であり、食料自給率は40%と先進国の中で最も低い水準となっております。この水準は平成10年以降続いており、国がさまざまな施策を講じても、一向に改善が見られない状況にあります。  こうした中で、国では、本年3月に策定された「食料・農業・農村基本計画」において、平成27年度までに、現在の食料自給率を5ポイント上げて、40%を45%にする目標を示しました。この食料自給率は、農畜産物をエネルギーのもととなる熱量、すなわちカロリーに換算してどの程度国産で賄っているかを算出するものです。  この計算によると、本県の食料自給率は3%となってしまいます。カロリーベースで換算してしまうために、本県のように畑が主体で野菜や花などカロリーの低い農産物の生産が中心となっている都市型の農業を進めるところでは、食料自給率は低くならざるを得ないのが実態であります。  そこで、国が示す、ことしから10年後までに食料自給率45%の目標に対し、本県の自給率3%との差は余りにも大き過ぎますし、大きな差が出るのは当然でもあり、国の目標値は本県農業にとってはふさわしい目標とは言えません。  そこで、知事にお伺いをいたします。  カロリーベースによる食料自給率を目標値とすることは、本県の農業の実態に合わず、むしろ非現実的であり、誤った印象を与えることとなります。地域の農業生産や食生活について、県民が身近な問題として考える契機となるよう、本県の農畜産物の生産の特徴を踏まえた、県独自の目標値を設定し、県民への理解と協力を求め、これを機会に、神奈川の希望ある攻めの農業の展開と推進を図るべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  質問の4番目は、高齢者対策についてお伺いいたします。  高齢化社会を迎えた我が国の高齢者の、内なる現状の問題点に高齢者虐待があります。高齢者虐待は、その言葉のとおり、親族などから高齢者に加えられる基本的人権を侵害する行為であり、この親族などの「など」には、介護サービスの提供者も含まれております。殴ったり蹴ったりの身体的虐待や、言葉による暴力である心理的虐待、ネグレクトと言われる介護放棄のほか、性的虐待、経済的虐待など五つに分類できるとされております。  財団法人医療経済研究機構の調査によると、虐待の発生の要因として、虐待している人の性格や人格、また高齢者本人と虐待している人のこれまでの人間関係、そのほかにも、虐待者の介護の疲れや高齢者本人の認知症による言動の混乱など、介護負担を挙げるものも多くなっております。もともと介護は疲れやストレスがたまる仕事であり、そのはけ口として高齢者に当たったり、また介護を通じて人間関係が悪化する、あるいは嫁姑などの今までの家庭内の問題が表面化するということが、その要因としてあるのではないかと考えられます。  このように、高齢者虐待は家庭内で起きる問題でもあり、加害者だけでなく、被害者も外に知られるのを拒み、その実態は表面化されにくいことが特徴であります。行政も老人福祉法などによる保護をしようとしても、プライバシーに踏み込むことに抵抗があることから、実際には活用されていない状況でもあります。  こうした中、例えば横浜市では、平成16年12月に、相談からモニタリングまでの一連の対応システムについて示した、在宅高齢者虐待防止事業指針を策定するなど、高齢者虐待の実態を把握し、その対応をしているところも多いと聞いております。  さらには、家庭内だけでなく、施設における拘束などもまた問題視されています。こうした高齢者虐待の現状と実態は、本県では明らかにされていない状況であります。高齢者虐待については、児童虐待と同様に、一機関での解決は難しく、介護関係の機関や市町村などと連携をとって、その発見や相談に対応し、また家族や関係者に高齢者虐待の啓発に努めていかなければならないと考えます。このように、高齢者虐待の問題は家庭内において起こることが多いことから、隠れて深く進行していると思われます。  そこで、知事にお伺いをいたします。  県内の高齢者虐待の実態把握をどのように進め、今後どのような対応を図っていくのかをお伺いいたします。  5番目の質問は、治安対策、まちの浄化対策であります。  繁華街を抱える駅周辺の道路上において、風俗営業の客引きやキャッチセールスや、通称「カラス族」という人による女性への仕事のあっせん、さらにはカラオケ、金融関係等、あらゆる業種の宣伝行為のためにティッシュを配布するなどの行為が散見されます。繁華街や駅周辺でのこれらの行為が、少なからず市民生活に迷惑を及ぼしている状況でもあります。  私の地元厚木市でも、小田急本厚木駅前地区において、客引き行為を初め、いろいろな勧誘行為、宣伝用チラシなどの配布に対し、市民から取り締まり要望や苦情が寄せられております。  昨年10月以来、県警察や厚木署が、市や地域の商店会と連携し、風俗営業などへの立ち入りや、客引き行為の違法行為の取り締まりを初め、違法広告物の撤去活動など、環境浄化活動を実施しております。それにより風俗営業の客引き等が多少減少し、看板等が撤去されたという声もあります。また、駅周辺における犯罪発生件数や110番通報件数が減るなどの効果も出ていると聞いております。  しかし、一度受けた治安の悪化からの回復には、まだ時間もかかり、現在、地元自治会防犯組織を編成しての防犯教室や、安心・安全まちづくりの研修会を初め、関係住民による防犯対策決起大会など、活発な地域活動が進められております。  そこで、県警本部長にお伺いをいたします。  県警察では、現在、本厚木駅前以外にも環境浄化活動を展開していると聞いておりますが、これまでの県下における風俗営業者による客引き等の取り締まり状況について、どのように進めてきたのかをお伺いいたします。  厚木市では、現在も、警察と地域の自治会、商店会などが協力して、防犯パトロール等環境浄化活動を、まさに市民を挙げて取り組んでいるところでございます。  そこで、繁華街を抱える県下の主要駅周辺地域において、風俗環境浄化活動を継続的に実施するとともに、既存法では規制の対象とならない行為を、条例で取り締まるなど、規制の強化も必要であると考えます。  こうした中、東京都においては、繁華街で迷惑、不安を覚える客引きなどを規制するとともに、ピンクビラの配布行為の規制を強化するため、いわゆる「迷惑防止条例」や「ぼったくり条例」を改正し、ことし4月から厳しい規制を始めたと聞いております。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  本県も県条例による規制など、抜本的な対策を講じていくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、県警本部長にお伺いをいたします。  以上で、私の最初の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。〔拍 手〕〔知事(松沢成文君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) 小林議員のご質問に順次お答えをいたします。  初めに、道路整備についてのお尋ねをいただきました。  まず、さがみ縦貫道路の供用開始がおくれることについて、国にどのような申し入れを行ったのか、また、おくれた理由と今後の見通しについてでございます。  さがみ縦貫道路の供用開始時期については、平成13年度に決定された、都市再生プロジェクトにおいて、平成19年度までに暫定的な環状機能を確保するものとされており、県といたしましては、早期の完成を期待しておりました。ところが、国及び日本道路公団より、供用開始予定時期がおくれる見通しであるとのお話を伺ったところでございます。  さがみ縦貫道路は、神奈川県内の産業の活性化や活力ある県土づくりに不可欠な道路であり、供用開始時期が少しでも早まるよう、この7月に、私みずから国土交通大臣に早期整備を申し入れたところでございます。  供用開始がおくれる理由といたしましては、関係地権者が多く、代替地の確保や選定に時間を要することなど、当初想定していた以上に、用地交渉に日時を要していることが主な要因となっていると伺っております。  そうした中でも用地買収の進捗につきましては、平成16年度末時点で、茅ヶ崎市から厚木市、相模原市までの南側区間においては約8割、愛川町から城山町までの北側区間では約4割となっております。県といたしましても、特設の広域幹線道路事務所を設置して、用地買収の受託や関係機関との調整を積極的に進めておりまして、国や日本道路公団とともに、残りの用地買収に全力を挙げ、さがみ縦貫道路の早期完成に寄与してまいります。  今後の見通しにつきましては、例えば海老名北インターチェンジから海老名北ジャンクションまでが平成21年度に供用するなど、平成20年代半ばにかけて整備が完了した区間から順次供用を開始していくと聞いております。今後も、引き続き、機会あるごとに国等へ早期供用を働きかけるとともに、事業促進に向け、できる限りの協力をしてまいりたいと考えております。  次に、さがみ縦貫道路の整備のおくれが第二東名高速道路などの整備に及ぼす影響についてお尋ねがございました。  第二東名高速道路や国道246号バイパスは、県土構造の骨格となる道路であり、現在の東名高速道路や国道246号の機能を補完して、渋滞を緩和するとともに、広域的な交通利便性を高め、さらに災害に強い県土づくりなどにも重要な役割を担うものと認識をしております。  そこで、県では沿線の市町と連携しながら、かねてより、国、公団に対して早期整備を要望してきたところでございます。さがみ縦貫道路の整備がこれまでの見込みよりおくれるとしても、両路線の整備スピードに影響が出ないよう、今後も引き続き、国等に整備促進を強く働きかけてまいりたいと考えております。  さらに、県といたしましても、さがみ縦貫道路と同様に、両路線の早期整備を支援するため、用地買収や関係機関調整などについて、できる限りの協力を行ってまいりたいと考えております。  また、さがみ縦貫道路のインターチェンジに接続する道路は、インターへのアクセス機能だけではなく、沿線地域の連携強化やまちづくりの観点からも大変重要な路線であります。したがいまして、県といたしましては、これまでも重点的な整備に取り組んできたところではございますが、今後も早期完成に向け、引き続き精いっぱい努力をしてまいりたいと考えております。  次は、相模川の河川整備計画についてのお尋ねがございました。  相模川は、古くから、神奈川の「母なる川」として、県民の飲み水や農業用水などに利用されるとともに、今なお都市の中で豊かな自然とも触れ合える、身近で貴重な空間となっております。特に、水辺利用について言えば、平成15年度の国・県の調査では、県民の約半分に相当する年間約477万人の方々に利用され、ますます利用の要請は高まっていると考えております。  一方、治水の面では、一度はんらんすると甚大な被害が予想されることから、これまでも、堤防がない箇所などについて、計画的に整備を行ってきており、両岸延長全体で約48キロのうち、平成16年度末で約65%が完成している状況でございます。  このような相模川の状況を踏まえて、河川整備計画を策定していくこととなりますが、まず、治水につきましては、おおむね20年の計画期間内には、残る未整備区間の堤防を完成させたいと考えております。また、治水上の支障となる河床の整理や、護岸などの修繕、堤防の草刈りなど、適切な維持管理を継続的に行うことも重要なことでありますので、しっかりと整備計画に位置づけていきたいと考えております。  次に、河川環境の整備と保全についてでありますが、昭和63年には、高水敷など河川空間利用について、相模川水系河川環境管理基本計画を、平成6年には相模川多自然型川づくりの基本方針を策定し、潤いのある川づくりに取り組んでまいりました。また、平成11年度から、河川水辺の国勢調査によりまして、相模川に生息する動植物の種類や量を調査しております。これまで取り組んできた、河川環境の整備と保全に係る基本計画及び基本方針に、新たに実施している動植物などの生息調査の結果を加え、整備計画に位置づけていきたいと考えております。  このように、今回の河川整備計画の策定に当たりましては、治水と環境の整備と保全が一体となった整備計画を、住民参加のもと、国と連携してつくってまいりたいと考えております。  次に、相模川の河川整備計画の策定に当たっての、県民意見の計画への反映や関係自治体との意見調整の方法についてのお尋ねがございました。  まず、県民参加が大切であるという観点から、ふれあい巡視と名づけまして、沿線の市町村の区域ごとに、公募する地域住民の方々と相模川を歩き、ワークショップ形式の意見交換を行うことを予定しております。このふれあい巡視に参加していただいた方々から、川に近づきやすくなるスロープなどの施設へのご要望や、保全すべき自然環境などについてのご意見やご提案をお伺いし、整備計画にできるだけ反映させていきたいと考えております。  次に、関係自治体との意見調整を行う場としては、計画の検討に当たり、相模川に関係が深い、農業など県の利水や環境部局と、沿線の市町村により構成される行政連絡会というのを設置いたします。現在、行政連絡会を立ち上げるため、まず、準備会の開催に向けて、国と連携して調整を進めているところであります。このほか、河川整備計画全般について、学識者や関係団体の代表などから専門的なご意見をいただく場として、川づくり委員会を設置する予定であります。  これまでお話ししましたようなさまざまな場で意見を反映して、計画素案がまとまった段階で、県や市の窓口での閲覧やインターネットによる意見の募集も予定しております。  今後、さまざまな手法でお伺いした、県民や関係市町村からのご意見を反映させた、県民にとって身近な河川整備計画を、平成18年度末を目途に策定していきたいと考えております。  次に、都市農業の推進について2点お尋ねがございました。  まず、神奈川県都市農業推進条例について、県民にどのように周知し、協力を求めていくのかとのお尋ねでございます。  この条例では、本県農業を持続的に発展させるためには、県民の皆様に県内産の農畜産物等の消費に努めていただくとともに、農業生産活動への参画や農業者との交流などを通じて、本県農業の現状等について理解していただくことが何よりも大切ですので、県の施策への協力を県民の責務として位置づけたところでございます。  そこで、条例の内容を県民の方々に十分ご理解いただくことが大切でございますので、県のたよりやホームページなど、さまざまな広報媒体の活用やパンフレットの配布などにより周知をするほか、県民の皆様がお集まりになるイベント等の機会をとらえて、説明することも考えております。  次に、県民の皆様にお願いする県の施策への協力でございますが、まずは県内産の農畜産物等を購入していただくことが第1でございます。そして、新鮮で良質な県内産の農畜産物のよさを知っていただき、お知り合いの方々に広めていただくこと、さらに、地域における消費者と農業者との交流会、各地で開催するフォーラム、産地見学会などのイベント、農業体験教室としての田植えや、田んぼの生き物調査など、各種催し物への参加、中高年ホームファーマーなどの農業者を直接支援する活動にも参加していただきたいと考えております。  こうした農業施策への協力を通じて、一人でも多くの県民の皆様が農業の大切さを知り、理解者となっていただくことで、条例の目的であります本県農業の持続的な発展につながることを大いに期待しているところでございます。  次に、本県の農畜産物の生産の特徴を踏まえた、県独自の目標値を設定し、農業を推進していくべきとのお尋ねがございました。  議員お話しのとおり、我が国の食料自給率について、国では、新たに策定した食料・農業・農村基本計画において、カロリーベースの食料自給率を現在の40%から、平成27年度までに45%とすることを目指しております。  本県の農業は、食料自給率の向上に寄与する米、麦、大豆などの生産は少ないものの、野菜、牛乳などの生鮮食料の供給面で、県民の豊かな食生活に大いに貢献をしております。また、本県農業においては大消費地を控え、生鮮食料や花など、付加価値の高い農畜産物等を中心とした生産を進めていくことが農家経営の安定に結びつくと考えております。  そこで、本県ではことし3月に策定した、かながわ農業活性化指針において、国が目指すカロリーベースの食料自給率ではなく、県独自の目標値として、平成27年度に野菜は279万人分、牛乳は234万人分など、主要品目について生産努力目標を設定したところでございます。この目標達成に向けた重点的な取り組みとして、農業活性化指針に、生産基盤の整備、農業や畜産の技術センターにおける技術開発と普及、地産地消の推進などを位置づけて、生産者はもとより、県民の皆様の理解と協力をいただきながら、その達成に努めていきたいと考えております。  最後に、高齢者虐待の実態と今後の対応についてお尋ねがございました。  私は、高齢者虐待は人としての尊厳を根底から否定するものであり、高齢化が急速に進んでいく中で、虐待防止対策を適切に推進していく必要性は極めて大きいと認識をしております。  議員のお話にございましたように、高齢者虐待の実態は表面化しにくいことが特徴ですが、保健福祉事務所が取り扱った虐待の相談件数で見ますと、平成16年度が665件、平成17年度は7月末までの4カ月間で409件となっております。このままのペースで進めば、前年度に比較して2倍近い件数となることが懸念されております。  相談件数増加の背景としては、研修や啓発を通して高齢者虐待への認識が一般的に深まってきたことや、高齢者に接するケアマネジャー等に虐待の兆候を早期に発見する能力が備わってきたこと、また民生委員、医療機関、警察などの関係者から成る市町村の虐待防止ネットワークの整備が進んできたことなどが考えられます。  今後、虐待防止の取り組みを進めるに際し、さらに実態を把握するため、各市町村が対応した虐待の状況調査を予定しております。  県といたしましては、高齢者虐待防止対策のかなめとなる、市町村を一層支援するため、今年度から、医師・弁護士・施設専門職員などから成る、虐待防止策を検討する組織を設けて議論を進めることといたしました。その検討や調査の結果を踏まえ、虐待防止マニュアルの作成やネットワークの拡充、さらに関係職員に対する解決能力向上のための研修を充実強化することにより、市町村と連携を図りながら、増加傾向にある高齢者虐待の防止に向けて取り組んでまいります。  私からの答弁は以上でございます。〔警察本部長(伊藤茂男君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 伊藤警察本部長。 ◎警察本部長(伊藤茂男君) 小林議員のご質問、最初に、県内における風俗営業者による客引き等の取り締まり状況についてお答えをいたします。  小林議員ご指摘のとおり、繁華街や駅周辺における客引き行為や勧誘行為などは、県民の方々に少なからず迷惑を及ぼしているほか、当該地域における風俗環境を悪化させる原因の一つであると認識しております。  県警察におきましては、昨年10月から、本厚木駅前の繁華街を皮切りに、順次県内の繁華街におきまして風俗営業所等に対する立ち入りを行い、必要な行政指導を実施しているほか、強引な客引き事犯や行政指導に従わない悪質事犯に対しましては、積極的に取り締まりを行っているところであります。  この対策実施前は、小林議員ご指摘のとおり、風俗営業所等による客引き行為や違法広告物等が散乱しておりまして、まさに県民の方々の体感治安を悪化させている実態にあったと思っております。しかしながら、対策実施後は、風俗営業の健全化が図られたことにより、客引き行為が減少したのを初め、捨て看板や違法駐車車両も減少するなど、風俗環境がかなり改善されたものと認識しております。  また、小林議員お話しのとおり、繁華街周辺地域における110番の受理件数や刑法犯の認知件数もそれぞれ減少するなど、環境浄化対策を実施したことに伴う相乗効果が見られているところであります。  本年における県内の客引き行為等の取り締まり状況でございますが、8月末までに、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、いわゆる風営適正化法でございますが、この法律や、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例、いわゆる迷惑防止条例でございますが、これらの法律・条例によりまして、63人を検挙しておりまして、前年の同期と比べまして30人多くなっているところであります。  また、街頭で男性客を誘って営業する、不良外国人らによる違法ファッションヘルス営業につきましては、いわゆる風営適正化法によりまして86店舗を検挙しておりまして、これも前年同期と比べまして33店舗多くなっているところでございます。  次に、客引き行為等の、条例による規制の強化と今後の取り組み等についてお答えをいたします。  先ほど小林議員の地元厚木市では、警察と地域の自治会、商店会などが相互に協力をして、まさに市民を挙げて環境浄化活動に取り組んでいるとの大変ありがたいお話がございました。私もこの種の活動を推進する場合には、行政を初め自治会等、県民の方々のご協力が必要不可欠と認識しております。小林議員ご指摘のとおり、環境浄化対策は安全で安心なまちづくりを実現する上で重要なことでございます。引き続き、地元の行政や自治会、商店会、民間ボランティア等のご協力をいただきながら、街頭補導活動、合同パトロール、駐輪駐車対策や環境美化活動などに取り組んでまいりたいと考えております。  また、客引き行為等の取り締まりにつきましては、先ほどお答えいたしましたように、いわゆる風営適正化法や迷惑防止条例などの法令を積極的に適用して検挙に努めております。その結果、客引き行為等が減少するなど、風俗環境の改善が見られるところでございます。したがいまして、小林議員ご指摘の、客引き行為等の条例による規制の強化につきましては、今後既存の法令による取り締まりが困難となるような新たな形態の出現を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、県警察といたしましては、客引き行為等について、取り締まりの手を緩めることなく、現行のあらゆる法令を積極的に適用し、粘り強く継続的に取り締まりを実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。〔小林常良君発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 小林常良君。 ◆小林常良君 ご答弁をいただきまして、知事、そして本部長ありがとうございました。  自席にて引き続き再質問をさせていただくことをお許しをいただきたいと思います。  冒頭の、道路関連の延期ということが発表されたわけですけれども、私どもは地域の中で、直接さがみ縦貫道路に関連する方々の声をたくさん耳にしております。一番心配されるのは、今回延期のお話がありましたけれども、これがまた再度繰り返されるのかなというところも懸念の大きな材料としてあるわけでございます。事業主体が国ですから、県では何とも言えない部分というのは確かに私も認識はしておりますけれども、県民にとっては、国・県を問わない話でございますので、こういう情報をまず早めに把握をしていただきたいというのが、今回の一つの教訓であるというふうに思います。そして、具体的に延期になったということをどういうふうに地域におろしていくのかということも、またこれからの課題になると思います。  再度このような計画延期がないことを願っておりますけれども、県当局においても、情報収集、そして進捗状況を含めて把握に努めていただきたいと思います。  相模川の河川整備計画でございますけれども、知事からお話をいただいて、平成18年度に向けて、具体的な地域を取り込んだ作成をしていきたいというふうな話もいただきました。私どもは川との関係が非常に強い歴史を持っておりますし、川とともに生きているというのを私も身にしみて感じている人間の一人でございます。先ほど、「母なる川」という表現をいただきましたけれども、まさにそのとおりでございまして、川なくしては私たちの生活もあり得ないという、そういう環境の中に生きている人たちがたくさんおります。  そういう意味では、現地を見ますと、いろいろな問題が山積みにされております。この具体的な基本計画をベースに、距離も長く、簡単な話ではないことも認識しておりますけれども、地域の声もしっかり受けとめて、これに取り組んでいただきたい、これをあわせてお願いをさせていただきたいと思います。  農業関係の答弁をいただきましたけれども、いわゆる国の政策の自給率ではなくて、基本的に県内のそれぞれの品目によって、目標値を定めてやっていこうと、これを県民にPRもしていきたいということで理解をしております。  私は今回の条例で、周知をどうしていくんだという話をさせていただきましたけれども、この理念条例が多くの県民に理解をされるという部分が、期間の問題もありましょうけれども、具体的に伝わっていくのかということが非常に懸念をされております。それは、過去の神奈川県の農業政策そのものの浸透度を考えますと、同じことを繰り返すわけにはいかないということで、せっかくの農業推進条例というものが生まれてきたわけですので、これは、もう一度、意義・意識を取り戻して、認識し直して、今回の条例に向けての具体的な実施をしていただきたいと思います。  高齢者虐待については、今お話をいただきました。非常にナーバスな話、微妙な部分がありますので、こういうふうなものについても、できるだけ早く関係者との協議を進めていただきたいと思います。  最後になりますけれども、治安対策ということで、浄化作戦、警察官の人の問題、マンパワーの問題、足らない状況の中で、非常に苦慮されている中での具体的な行動も起こしていただいているということも十二分に認識をしております。例えば、地元の厚木の話をして恐縮ですけれども、現実の話は非常にせっぱ詰まった状況の中にあるということです。現行法も大切なことだと思います。それに向けて、状況判断の中で、しっかりした、県内を浄化する条例化に向けての検討もあわせて、継続して考えていただきたいと思います。  自分でまとめましたけれども、皆さんの答弁と基本的な考え方は一致しておりますので、どうぞひとつ積極的な取り組みをお願いをさせていただいて質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 △《本会議録-平成17年9定-20050922-026018-質問・答弁-嶋村ただし議員-一般質問①IT環境の整備について②環境問題について》 〔嶋村ただし君発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 嶋村ただし君。〔嶋村ただし君登壇〕(拍手)〔議長退席、副議長着席〕 ◆嶋村ただし君 尊敬する牧島議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党県議団の一員として、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事におかれましては、明快なご答弁をお願い申し上げます。また、先輩並びに同僚議員におかれましては、しばらくご清聴のほどよろしくお願いを申し上げます。  私がこれから質問する項目はいずれも地味な政策であり、目に見える政策ではありませんが、人が生活し、生きていく上で、これからますます重要な課題であると思います。その思いを持って質問に入らせていただきます。  初めに、IT環境の整備についてお伺いいたします。  インターネットは、世界的に認知された仕組みとして普及し、今やビジネスに、教育に、コミュニケーションに、人間関係や家族のきずなに、また、いざというときの防災に欠かせぬものとして、多くの人々に利用されています。  先日、新聞記事で、高齢者のパソコンやインターネットの利用についての記事が出ていました。記事によると、65歳以上のネット利用率は、2004年、17.5%だそうです。この数字は私の想像より高い数値と感じました。高齢者のパソコン指導に詳しい方によると、身体的なハンディキャップを越えて社会参加ができる、交流も拡大し、世界が広がると効果を説明しています。そして、高齢者のひとり暮らしがふえ、孤独を感じがちな環境の人が、ネットを通じて励まされ、ネットを通じて出会いが広がり、元気になっていく姿がこれから多く見られることになるでしょう。  さらに、医療の分野においても、過疎地の高齢者医療が、ネット利用で、自宅から医師と日常の問診程度は簡単に多用することができ、高齢者や家族に安心感を与えることでしょう。ますます身近に感じるIT環境の発展に大いに期待したいものであります。  さて、その一方、65歳以上でインターネットを利用しない人の意見としては、「利用する必要がない」が45%、「操作が難しい」が25.3%であり、現実的には、50代以下のネット利用率が6割を超えていることを考えれば、まだまだ高齢者の利用率は低いのかもしれません。実際、私の父親がパソコンを操作することなど想像を絶する光景でございます。  しかし、IT環境を有効に使うかどうかは、各人の裁量によるものと考えます。そして、確実に年代を越えて利用価値を生み出し、進行していくことは間違いないと思います。そんなIT環境を育てるのは人であり、ネットによって人をいやし、力づける効果を持ち、ビジネスにおいてもますます利便性を発揮するものと考えます。  また反面、自殺願望を誘発させたり、凶悪犯罪や誹謗中傷するツールとして使われ、凶器として使われている現状に対しては複雑な思いであります。最近の事件性の高いものの中で、インターネットが犯罪につながるツールとして悪いイメージを植えつけられる場面も数多くありますし、大切な資産を一瞬にして傷つけてしまうコンピューターウイルスの存在もこの世界では後を絶たないのが実情です。  さて、インターネットにかかわるツールであるホームページやメールについては、かなり言葉として認知され、仕組みとして理解されてきたと思いますが、この仕組みを悪用し、人を傷つけたり、追い込んでしまう行為は後を絶たないと聞いています。  私の身近においても、メールやインターネットの掲示板で、人を誹謗中傷し、安易な気持ちで人権侵害が行われ、犯罪意識のない行為は、インターネットの世界では不適切な行動であることを、もっと厳しく知らしめる必要があると感じています。  小学生でも自由に使うことができる環境になり、将来のIT環境を担う世代の教育の中で、安易な書き込みは犯罪行為であることを身につけさせることと、自分を名乗らずして無責任な発言をすることは、正義感をなくすことにつながると、教育の中で植えつけていきたいものであります。  IT環境を明るいものにしていくための下地は、心の優しさがシステムに植えつけられ、使いやすさと便利さ、そして、わかりやすいシステムであることだと思います。むだを補う手段として有効に活用するIT環境をつくり上げることを提言いたします。  そこで、行政が提供する、電子自治体共同運営サービスの利用状況についてお尋ねいたします。  先般、7月1日から、県と県内市町村との共同運営による、電子申請・届出サービスと公共施設利用予約サービスの提供が始まりました。ITを活用した行政の具体的な取り組みが県内市町村と歩調をそろえて進んだということで、大変有意義なことであると私は考えております。  インターネットが県内では広く普及した現在、行政サービスをインターネットで提供し、県民や企業の利便性を高めようとするのは、行政として今や当たり前のことと思いますので、ぜひこの取り組みをさらに推進していただきたいと考えております。  その際に、私は、インターネットにより行政手続を使えるサービスでは、利用率を高めることが大変重要であると考えます。国においては、既に各省庁でインターネットを使った電子申請・届出サービスを開始しておりますが、利用率が低いといった調査結果もあります。このため、平成17年2月24日に、IT戦略本部で決定した「IT政策パッケージ-2005」において、年間申請件数の多い手続を「オンライン利用促進対象手続」として定め、利用促進のための行動計画を本年度末までのできる限り早期に策定し、公表することとし、利用向上のための取り組みを進めております。  そこで、知事にお伺いします。  電子自治体共同運営サービスについては、サービスを開始したばかりでもあり、現時点の利用状況で判断することは、なかなか難しい面もあろうかと思いますが、神奈川力構想・プロジェクト51にも目標が定められておりますので、そうした目標に照らして、このサービスの利用状況をどのように受けとめておられるか。また、利用率の向上の取り組みはどのようにされているのでしょうか、あわせて知事の所見をお伺いいたします。  次に、電子自治体共同運営サービスに対する利用者の声についてお尋ねします。  このサービスにより、県民や企業の皆さんが、これまでのように役所や施設の窓口に出向くことなく、自宅や職場などから行政手続を行うことができ、大変便利になってきたと思っております。しかしながら、インターネットを使った新しい取り組みですので、サービスを利用された方に満足していただいているのか、使いづらいところはないのかなど、利用者の反応が気にかかるところであります。  このサービスでは、利用方法がわからない場合に、コールセンターに電話で問い合わせができるだけでなく、サービスに対する意見もインターネットで出せるようになっておりますので、利用者の声を把握されていると思います。  そこで、知事にお尋ねいたします。  電子自治体共同運営サービスを利用者にとって使い勝手のよいものにしていくためには、実際に利用された方々の声に耳を傾け、継続的にサービスの改善をしていくことが必要であると考えますが、利用者から寄せられた声にはどのようなものがあり、それに対してどのように対応されようとしているのか、お伺いいたします。  次に、電子自治体共同運営サービスの今後の取り組みについてお尋ねいたします。  サービスが始まり、いわばインターネットによる行政手続のための仕組みが用意されたと言えるかと思いますが、サービスが開始された現在、県民や企業の皆さんに積極的に利用していただくように、市町村と一緒になって利用向上のための方策を検討し、努力をしていくことが今後の大きな課題ではないかと考えております。  電子申請・届出サービスや公共施設利用予約サービスの提供が受けられるようになったといっても、扱える手続の種類や施設の数が少なくては、県民の利便性が向上したとは言えません。順次サービスの範囲を拡大していただきたいと思います。また、サービスの機能についても、今用意されている機能で十分なのか、さらに充実すべき点もあるのではないかといった視点で見直して、必要な機能を追加していかなければならないと考えます。  さらに、サービスの積極的なPRも欠かせないと考えます。これまでも、さまざまなメディアを通じて、サービスの広報を行ってきているかと思いますが、サービスを利用できる方が使えることを知らなかったといったことがないよう、今後もきめ細かい広報が必要であると考えます。  そこで、知事にお尋ねいたします。  電子自治体共同運営サービスをより多くの県民の方々に利用していただくために、市町村とも連携を図りながらサービスを充実することなどが必要であると思いますが、今後どのような取り組みを考えておられるのかをお伺いいたします。  次に、環境問題についてお伺いします。  9月25日に、185日間華やかに開催された愛・地球博が閉幕となります。  メインテーマ「自然の叡智」のもと、人と自然の新たな関係を創造する試みを通じて、人類が直面する課題の解決の方向性と人類の生き方についてのメッセージを発信する。また、サブテーマである「循環型社会」の形成とその実践に向けて、世界の一人一人が考える機会となる博覧会を目指す。というのが博覧会の基本理念であります。  私も一度ではありますが、会場に行くことができました。半年という会期は、通常なのでしょうが、環境の取り組みを多くの方に見てもらい、実感してもらう、そして、何よりも、一つでも多くの、環境を考えた実践行動を身につけてもらうには、期間が少々短いと感じました。  ことし2月には、1997年に京都で開催された、第3回気候変動枠組条約締約国会議、いわゆるCOP3で採択された、京都議定書がようやく発効いたしました。このことにより、世界はようやく地球温暖化対策に向けた最初の一歩を踏み出したわけですが、我が国としては、2008年から2012年までの第1約束期間の温室効果ガス排出量を、基準年対比で6%削減するという大変困難な義務を負うことになったわけであります。あえて言えば、ことしが環境元年というのは言い過ぎなのでしょうか。  私は現在、青少年指導員をしておりますが、横浜市青少年指導員の研修会で環境問題を取り上げ、テーマは、“次世代への橋渡し”「地球って誰のものですか」を開催することになりました。奇しくも研修会開催日は愛・地球博閉会日となりましたのは、偶然とはいえ、何か使命感を感じるときとなりそうであります。  研修会の目的は、環境問題に対する意識を高めて、環境に優しい心を持つ人の輪を広げる役目を私たちが考えていかなければいけない、このような研修は地味な活動とは思いますが、まさに参加型の政策の位置づけにあるのではないでしょうか。余談ではありますが、地元の青少年指導員の仲間と、この研修をきっかけに、環境に関する青少年の参加型イベントを計画しようと考えております。  ところで、ことし4月末に閣議決定された、京都議定書目標達成計画では、地球温暖化対策に対する地方公共団体の基本的役割として、一つ目に地域の特性に応じた対策の実施、二つ目は率先した取り組みの実施、三つ目に地域住民等への情報提供と活動促進が挙げられております。私は、地方公共団体に求められるこの三つの基本的役割の中に、「率先した取り組みの実施」が盛り込まれていることは大変大きな意味を持つと考えております。  地球温暖化は、我々の日常の生活、あるいは企業の事業活動により排出される二酸化炭素が主な原因となっており、だれもが地球温暖化対策を実践していく必要があります。したがって、県民の一人一人に地球温暖化の現状、影響の大きさなどを認識していただき、意識を改革していただかなければなりませんが、それ以上に県内の企業の事業活動を環境配慮型に変えていくことが非常に重要ではないでしょうか。  県内には大企業もありますが、その大部分は中小企業であります。大企業であれば、企業戦略として環境配慮を位置づけ、積極的に取り組んでいくことができると思われます。しかし、中小企業では、人的にも資金的にもそのような余裕がない場合も多いのではないでしょうか。そのような場合に、県が率先して取り組んでいるさまざまな地球温暖化対策の内容、成果、課題などについて積極的に公表し、それを参考にしていただく、さらには県が蓄積したノウハウに基づき、適切な助言・指導を行うということは、一つの理想的な方策だと思われます。  県が率先して取り組んだ温暖化対策の成果が、市町村へ、企業へと伝わり、最終的には県民一人一人の日常生活まで影響を与える。環境配慮という意識が県内の企業・団体、個人へ浸透していく。こういうことが非常に重要ではないでしょうか。  そこで、本県の率先した取り組みの実施という観点から、初めに神奈川県地球温暖化防止実行計画についてお伺いしたいと思います。  地球温暖化対策の推進に関する法律、いわゆる地球温暖化対策推進法に基づき、県は、みずからが行う事務及び事業により排出する温室効果ガスの抑制等のための措置に関する計画、いわゆる実行計画を策定するものとされており、本県では、平成15年10月に策定し、その後平成16年10月に改定を行っています。  この実行計画は、警察も含めたすべての県機関で実行することになっていますが、県が行う事業活動により発生する温室効果ガスは約18万トンで、一般家庭の約3.3万世帯分の排出量に相当するとのことです。このように県の事業活動により生じる温室効果ガスの排出量は膨大なものですが、これを2010年度までに、2000年度対比で10.6%削減するという目標を計画の中で掲げています。  そこで、知事に伺います。  県はこの実行計画の目標達成のための取り組みをISO14001の環境マネジメントプログラムの中に位置づけ、ISOの手法で進行管理を行っていると聞いていますが、具体的には、これまでにどのような取り組みを行い、温室効果ガス排出量の削減など、どのような成果を上げているのでしょうか。  次に、今後の目標達成に向けた取り組みについて伺います。  今までもISOの取り組みの中でいろいろ努力されていることと思います。しかしながら、温室効果ガスの発生源別に個別のプログラムを設定して、主なプログラムごとに個別の数値目標を設定しても、例えば昨年のような記録的な猛暑であれば、庁舎の冷房のためにいや応なく電力使用量が増大することになり、温室効果ガスの排出量もふえざるを得ないことになります。このような状況を考えると、2010年度における数値目標は、達成が困難な、高いハードルだと思います。  そこで、知事に伺います。  県みずからが目標を達成できないようでは、県域全体としての目標達成を、県内の企業、県民の皆様などへ呼びかけることはできないと思いますが、どのようにして県の実行計画の目標を達成しようと考えているのでしょうか、知事のご所見をお聞かせください。  次に、県としての新エネルギーの率先導入についてお尋ねします。  温室効果ガスの排出量削減のためには、省エネルギーと並んで新エネルギーの導入も重要な取り組みの一つだと考えます。県では、平成15年3月に、かながわ新エネルギービジョンを策定しておりますが、この中で導入対象の新エネルギーとして、太陽光、風力、小水力、バイオマスから燃料電池まで、11種類のエネルギーを掲げております。  ただ、こうした新エネルギーの中には、地形や気象といった地域特性に左右されるものもあります。例えば、風力発電については、安定的な風の強さと土地の広さが必要であり、騒音の問題なども考慮すると、県内では適地が限られております。それに対して、太陽光発電については、必要な日照量が県内どこでも確保できること、騒音もないことから、本県のような都市型地域に最も適した新エネルギーの一つではないかと思います。  このように新エネルギーの導入促進を図る上では、地域の特性に合ったものを選んでいく必要があると考えます。  さて、県の実行計画の中では、そのほかの取り組みとして、環境配慮型公共工事の推進の中に、例として県の施設への新エネルギー導入実績が一覧として記載されています。  そこで、知事に伺います。  実行計画の中には、そのほかの取り組みの一つとして、新エネルギーの導入例が書いてありますが、正直申し上げて、少々寂しい印象を受けます。新エネルギーの導入促進を図るためには、県の地理的条件・気象的条件に合った新エネルギーを、県みずから積極的かつ計画的に導入すべきであると思いますが、今後どのように進めていこうと考えていらっしゃるのか、知事の所見を伺います。  次に、県の率先実行という視点から、「マイアジェンダ登録“もったいないバージョン”」についてお尋ねします。  地球温暖化対策の重要性を県民の皆様に知っていただくために、知事は、もったいない運動を奨励されています。ご案内のとおり、「もったいない運動」は、長年にわたる植林活動が認められて、昨年、ノーベル平和賞を受賞された、ケニアの環境副大臣のマータイさんが提唱されたもので、これを、かながわ地球環境保全推進会議が取り組んできた、マイアジェンダ登録制度に結びつけられたすばらしい発想だと思っております。  私は、「もったいない」の発想は日本の原点の一つではないかと考えておりまして、870万人を超える県民に、世代を越えて、改めてこの意義を伝え、日々の生活の中で実践に移していただくこと、長期にわたって取り組む必要のある、地球環境問題に対する対策を、新たな文化として県民とともにつくり上げる必要があると考えております。  聞くところによれば、ことし6月からスタートした、もったいないバージョンによる個人のマイアジェンダ登録促進の取り組みは、大きな反響を呼んでいるとはいえ、企業ぐるみでご協力いただいた例も何件かあるとも聞いています、このため個人のマイアジェンダ登録は8月末で1万3,000件を超えたとのことですが、神奈川県の人口を考えれば満足できるものではありません。現在、小中学生を対象とした、“もったいない”「作文コンクール」を実施されているとのことですし、今後もさまざまな環境イベントでの登録促進活動をされるとも聞いておりますので、今後ますます県民の間に浸透していく政策を推進されるよう提言いたします。  ところで、この、「もったいない」の実践につきましては、「新アジェンダ21かながわ」の推進母体である「かながわ地球環境保全推進会議」との協働ではありますが、知事が積極的に推進されているわけですから、「先ず隗より始めよ」ということで、県職員が率先実行し、県民への普及や環境改善に向けた実践行動の輪を広げていくべきだと思います。  そこで、知事にお伺いします。  県は、率先してISO14001の認証を受けるなど、環境配慮について積極的に取り組まれているわけですから、県職員の地球環境問題に関する意識は、当然高いものと思っておりますが、マイアジェンダは県職員にどれだけ浸透し、実践され、効果を上げているのでしょうか、知事のご所見をお聞かせください。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。〔拍 手〕〔知事(松沢成文君)発言の許可を求む〕
    ○副議長(田村政晴君) 松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) 嶋村議員のご質問に順次お答えをいたします。  初めに、電子自治体共同運営サービスについてお尋ねが3点ございました。  まず、電子自治体共同運営サービスの利用状況をどのように受けとめているのか、また利用率向上の取り組みをどのように行っているのかについてでございます。  神奈川力構想・プロジェクト51では、このサービスを、電子自治体の推進として位置づけまして、具体的な数値目標として、電子申請などにより窓口に行かなくても済むことによって県民が節約できる時間数というのを掲げておりまして、2005年度の目標は、4万8,000時間の節約になると見込んでおります。電子自治体共同運営サービスの、県に関する利用件数は、7月1日の運用開始から8月末までの2カ月間で、約1万6,300件でございまして、これを県民が節約できる時間数に換算いたしますと、おおむね7,400時間となり、今年度末までの目標の約15%でございます。何分サービスを始めて2カ月の数字ではございますが、十分なものとは思っておりませんので、利用率向上の取り組みが不可欠であると考えております。  そこで、現在の利用率向上の取り組みについてでございますが、まず電子化する手続については、受付件数が多いなど、県民サービスに寄与するものを対象に選定しております。さらに、県民の皆様に知っていただくことが大事であると考え、これまでもホームページ、ポスター、県のたよりや市町村の広報紙で広報活動などを行ってきたところでございます。  こうした中で、現在、電子入札システムについて、約1万人を対象とした説明会への参加受け付けをこのサービスで行っているほか、電子申請・届け出システムの対象手続の種類や公共施設利用予約システムの対象施設の追加などを進めているところでございます。このような取り組みを進めまして、今年度の目標を達成できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、電子自治体共同運営サービスを利用された方々の声と、それへの対応についてでございます。  議員のご指摘のとおり、こうしたサービスがスタートした後でも、利用者の声を踏まえて、サービスを継続的に改善していくことは大変重要なことと考えております。利用者からコールセンターへの問い合わせ等の状況でございますが、7月1日から8月末までに合計1,180件でございまして、その大部分は公共施設利用予約システムの利用方法についての問い合わせでございました。こうした利用者の声の中には、当初のサービスで不十分だった点をご指摘いただき、サービスの改善に反映した項目も幾つかございました。  具体的には、公共施設利用予約システムについて、「利用者本人であることを確認する方法が煩雑である」とか、「操作画面上の表示が誤解を招きやすい」といったものなどがありました。こうしたご意見を受けまして運用方法の改善、画面上の補足説明の追加、あるいはホームページに掲載をしている「よくある質問と回答」の内容の充実などを図ってきたところでございます。  今後も、利用者の皆様からの声を大事にしながら、電子自治体共同運営サービスの改善に努め、使いやすくわかりやすいサービスを提供してまいりたいと考えております。  次に、電子自治体共同運営サービスの今後の取り組みについてでございます。  電子申請・届け出システムでございますが、今年度中に、申請者本人以外の代理の方でも申請ができるようにするほか、落とし物をした際の警察署への届け出などの手続を追加したいと思っております。さらに、来年度以降も、講座・イベントの申し込みを含めて、県及び市町村の対象手続の種類を順次ふやしていく予定であります。  また、公共施設利用予約システムにつきましては、現在、県のほかに海老名市で利用されているところでございますが、今年度、鎌倉市など新たに7市町でサービスを開始し、来年度も県と市町村の対象施設を追加する予定でございます。  さらに、電子入札システムにつきましても、来年4月からの本格運用を想定した、試験的な運用を、この10月から、市町村や事業者などとともに行う予定でございます。  こうした取り組みとともに、県民の皆様への広報をさらに充実するため、県や市町村の窓口でのチラシの配布や、それぞれの手続を案内するホームページの中で、インターネットでも手続が行えることが十分に伝わるようにするなど、きめ細かな対応をしていきたいと考えております。  これからも、共同運営に参加している市町村と利用促進に向けた検討を進め、お互いに連携しながら、電子自治体の推進による県民サービスの向上を図っていく考えでございます。  次に、県による地球温暖化対策の率先実行について4点お尋ねがございました。  最初に、神奈川県地球温暖化防止実行計画のこれまでの取り組みと成果についてでございます。  議員のお話のとおり、2003年10月に、地球温暖化対策推進法に基づき、神奈川県地球温暖化防止実行計画を策定いたしました。この実行計画における削減目標は、2010年度の二酸化炭素排出量を1990年度対比で6%削減することといたしましたが、実際には1990年度以降排出量が増加しているため、2010年度までに、2000年度対比で10.6%削減する必要がございます。そこで、実行計画では温室効果ガスの発生源を本庁・出先機関等の庁舎、浄水場、道路照明、庁用車等、警察の五つに分けまして、発生源ごとに、温室効果ガスの排出量の削減に向けた具体的な取り組みを設定いたしております。  例えば本庁・出先機関等の庁舎では、省エネ型パソコンの導入や、昼休みの消灯、エレベーターの効率的な運転のほか、夏の軽装運動としてのクールビズや、庁舎そのものの省エネにつながるESCO事業にも取り組んでおります。  また、企業庁水道局の浄水場では、取水や送水のために、ポンプなどの動力として大量の電力を使用しておりますが、送水ポンプなどの効率的な運転方法の改善により、電力使用量の削減に取り組んでいるところであります。道路照明については、水銀灯から、電気使用量が半分程度のナトリウム灯への変更、庁用車については、低公害車の導入やアイドリングストップなどのエコドライブを励行しております。さらに、警察では、昼休みの消灯、エレベーターの効率的運転や低公害車の購入率の向上といった取り組みも進めております。  こうした取り組みは、ISO14001の仕組みを使って進行管理しており、3カ月ごとに取り組みの結果をチェックし、目標達成の見込みがない場合は是正措置を講ずるなど、常に見直し改善を行っております。  取り組みの成果といたしましては、2004年度の温室効果ガス排出量は、全体で約18万7,700トンとなっており、「2010年度までに10.6%」という削減目標のうち、2.9%を削減したことになります。  次に、どのように実行計画の目標を達成しようと考えているのかとのお尋ねがございました。  実行計画の目標達成に向けた、温室効果ガス排出量削減の取り組みの基本は、職員一人一人が常に環境配慮を意識し、目標達成に向けて努力し、それをISOの仕組みを活用してチェックすることにあると思っております。しかしながら、昼休みの消灯や、夏の庁舎の冷房温度を28度に設定するための夏の軽装の励行、クールビズなど、既にできる限りの取り組みを実行しているところであり、これ以上の強化はなかなか難しいものがあります。  しかも、議員ご指摘のとおり、庁舎で使用するエネルギーは、どうしても、その時々の気候に左右される面がございます。例えば、昨年度は、猛暑の影響もあり、出先機関等の庁舎の温室効果ガス排出量は約8万3,500トンで、目標の8万1,000トンを約2,500トン上回る結果となってしまいました。このようなことから、職員の努力に頼る取り組みだけでは削減に限界があり、2010年度までに削減すべき1万9,000トンのうち、確実に削減できるのは半分程度ではないかと想定をしております。  そこで、ソフト面の対策を補完するために、施設のハード面での対策を充実強化していく必要がありますので、平成16年度から、県施設にESCO事業の導入を進めることといたしました。具体的には、2010年度までに、11グループ、17施設で、民間資金活用型のESCO事業の導入を予定するとともに、自己資金型のESCO事業につきましても、その事業効果を見きわめながら、県施設への導入を進めていきたいと考えており、両者合わせて、2010年度までに5,000トン程度の温室効果ガス削減を目指しております。  しかし、ESCO事業は、省エネ工事の経費を光熱水費の削減分で賄うという仕組みですので、削減幅の少ない小規模施設への導入は困難であり、多くの県施設は導入の対象外となっております。そこで、ESCO事業の対象とならない施設につきましても、今後その施設の状況に応じ、照明安定器の交換など、省エネに向けた改修工事を、計画的に実施していきたいと考えております。  こうした取り組みにより、何とかして県としての削減目標を達成してまいりたいと考えているところでございます。  次に、新エネルギーの導入促進についてのお尋ねがございました。  実行計画の目標を着実に達成していくためには、ESCO事業の導入等による省エネにあわせて、新エネルギーの導入も必要であると考えております。議員ご指摘のとおり、新エネルギーの導入につきましては、地理的条件、気象的条件などの制約がございまして、例えば風力発電につきましては、本県には安定した風量が期待できる地域が少なく、大型の風力発電が導入できる地域は相当限られていると考えております。  その他の新エネルギーについてもさまざまな制約があり、本県においては、県内のどこでも均一な日照条件が得られる太陽光発電が、最も適した新エネルギーではないかと考えております。しかしながら、太陽光発電につきましては、導入コストが高く、家庭に導入した場合、投下資金の回収に20年から30年かかってしまうため、なかなか普及していない現状にあります。  一方、県施設への新エネルギーの導入実績でございますが、これまでに、太陽光発電については、出力10キロワット以上の大型のものを寒川浄水場など7施設に導入しておりますが、合計出力は271キロワット程度ですし、また、風力発電については、県民センターなど5施設に計4キロワットと小規模な導入にとどまっております。  このような状況にありますので、太陽光発電以外の新エネルギーで本県に適したものを試験的に導入し、その効率・経済性等を検証することも必要ではないかと考えております。  そこで、昨年度、津久井地域県西総合センターや藤野町の「篠原の里」交流センターに計10台のペレットストーブをテスト的に導入しておりますし、現在、藤野町と連携して木質チップ専用ボイラーの導入についても検討を進めているところでございます。  さらに、国が、ガソリンへ混合して自動車燃料として利用を図ろうとしている、植物由来のバイオエタノールは、ボイラー用燃料としての利用も可能ですので、県施設への試験的導入について検討していきたいと考えております。  京都議定書が発効し、温暖化対策は、待ったなしの状況でありますので、県施設への、太陽光発電を初めとする新エネルギーの導入に積極的に取り組むとともに、県内のオフィスビル、事業所、あるいは家庭への新エネルギーの導入が進むよう、普及啓発に努めてまいりたいと考えているところでございます。  最後に、マイアジェンダが県職員にどれだけ浸透し、実践され、効果を上げているのかについてのお尋ねがございました。  県職員のマイアジェンダ登録につきましては、平成15年10月に、新アジェンダ21かながわが策定された直後から登録を呼びかけ、さらに、ことし5月からは、神奈川県職員行動指針の環境配慮行動にも盛り込んでおりますが、登録項目が多過ぎてわかりにくいなどの理由で登録件数は低迷しておりました。  この登録項目の多さ、わかりにくさについては、県民の皆様からもご指摘をいただいておりましたので、その打開策を模索しておりましたところ、ケニアの環境副大臣マータイさんの「もったいない運動」に出会いました。この「もったいない」という言葉は、単に物を惜しむ意味だけではなく、物を得るまでのさまざまな苦労に対する感謝と敬愛の念をあらわす言葉でありますので、日本人として、後世にしっかりと受け継いでいかなければならないと感じているところです。そして、この言葉は環境配慮を呼びかける言葉としても大変わかりやすい言葉でありますので、ことし6月から、“もったいない”から始めよう!「マイアジェンダ」個人登録キャンペーンを実施したところ、これまで約3カ月半で、1万4,000人を超える方々に新たにご登録をいただいたところでございます。  そうした中、県職員への浸透につきましては、7月からイントラネットで登録ができるようにしたほか、庁内放送もあわせ、私から直接職員にマイアジェンダ登録の呼びかけをいたしました。個人のマイアジェンダの登録項目に、職業、所属の項目がないため、何人の県職員が登録しているか把握することはできませんが、こうしたさまざまな方法で周知をしておりますので、県職員の間に徐々に浸透しているものと考えております。  今後も、私がみずから先頭に立って、この運動の県職員へのさらなる浸透を図ってまいりますので、県議会議員の皆様にもご趣旨にご賛同いただき、ご自身のご登録、地域の県民の皆様への登録呼びかけなど、ご協力をよろしくお願いいたします。  私の答弁は以上でございます。〔嶋村ただし君発言の許可を求む〕 ○副議長(田村政晴君) 嶋村ただし君。 ◆嶋村ただし君 ご答弁ありがとうございました。時間がございませんので、自席より要望させていただきます。  まず、質問とは少し離れますが、IT環境を担う次世代の教育についてでございます。先ほど述べさせていただいた中に、間違った使い方をインターネットで行っている行為が若年層に見受けられると思います。この、インターネットの利用マナーというものは、いろいろなところで言われてはおりますけれども、ぜひとも学校教育の中でも十分配慮をしていただきますように要望をさせていただきたいと思います。  また、IT環境と環境問題については、常に現状よりよくなる政策が必要であると思います。それぞれ地道に対応していかなければならないものだと思いますし、終わりが見えない継続的な政策でもあると思います。ITは常に進歩しますし、自然環境も年々変化をしております。その時代に合った、状況に合った取り組みが必要だと思います。また、それぞれに人間がかかわり、人間教育が必要な場面が多分にあろうかと思いますので、政策の実行と、人間教育を実現させるためにも、行政が見本となり得ることを提言をさせていただきまして、質問を終わります。 ○副議長(田村政晴君) お諮りいたします。  この際、休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(田村政晴君) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は15分後といたします。                  午後3時4分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成17年9定-20050922-026019-質問・答弁-桐生秀昭議員-一般質問①重度障害者医療費助成について②粒子線がん治療装置の導入について③県立高校の校風づくりについて④自主防犯活動について》                   午後3時25分 再開   〔事務局長報告〕  出席議員 議長共72名 ○議長(牧島功君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 質問を続行いたします。  桐生秀昭君。〔桐生秀昭君登壇〕(拍手) ◆桐生秀昭君 パワフルな牧島 功議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら順次質問させていただきます。  知事並びに教育長におかれましては、明快かつ誠実なご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員におかれましては、大変お疲れのこととは存じますが、しばらくの間ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問の第1は、重度障害者医療費の助成について、障害福祉制度の見直しの動きに関連して伺います。  今定例会において、在宅重度障害者等手当について、65歳以上になって新たに身体障害者手帳の交付を受けた方については手当の支給対象者としないという内容の条例の改正案が提案されております。私も昨年度、厚生常任委員会におり、この条例の改正については、障害当事者の方々や市町村との論議も踏まえ、一定の配慮がなされていることは承知しており、見直しの第一歩として受けとめているところであります。  しかし、障害当事者の中には、所得に応じた、よりきめ細かい対応が必要であるという声もあり、今後、国の社会保障制度全体の変革が進む中で、中・長期的には、さらなる見直しも必要だと考えております。こうした、制度の見直しに当たっては、県としての役割を踏まえ、きめ細かな配慮を行いながら検討を進められることをまず要望しておきます。  さて、障害福祉サービスについては、大きな変革期を迎えております。平成16年10月には、今後の障害者保健福祉施策の方向を示すものとして、「改革のグランドデザイン案」が厚生労働省から発表され、その後、去る2月10日には、障害者自立支援法案が国会に提出されたところであります。国会での審議内容を見ると、障害福祉サービスの費用の利用者負担を初め、過去にはない活発な議論が交わされました。この間、障害者はもとより、関係者からもさまざまな意見が寄せられ、衆議院の通過に当たっては、厚生労働委員会において、障害者の所得の確保に係る施策のあり方の検討など、11項目にわたる附帯決議が全会一致で採択されております。  その後、同法案は、郵政民営化関連法案の参議院での否決に伴い、衆議院が解散されたため、審議未了により廃案となったところであります。しかしながら、国は、同法案を、21日に招集された特別国会に再提出する予定と聞いております。  この障害者自立支援法案による大幅な制度改正に対して、障害者やその家族は今後の生活に大きな不安を抱えているところであり、透析患者の会である、NPO法人神奈川県腎友会ほか18団体からも、「1割の応益負担」反対のアピールがなされているところでもあります。重度障害者にとって、医療費の自己負担分について助成を受けることができる本県の重度障害者医療費助成は、障害者の健康の保持を図る上で、とても重要なサービスになっておりますが、補助対象者と医療費の増加に伴い、補助金額は年々増加しており、今後のその施策展開に強い関心が寄せられているところであります。  他県においても、本県同様に重度障害者への医療費助成を行っておりますが、本県がすべての重度障害者を補助対象としているのに対して、本年4月現在、38の都道府県が所得制限や自己負担といった補助対象者の絞り込みを実施していると承知しております。  このような中で、国会に再提出される予定の障害者自立支援法案においては、障害者に対する公費負担医療制度が見直され、福祉サービスの費用負担と同様に、身体障害者の更生医療などについても、今後、原則として1割の利用者負担が求められることになることもあり、障害者やその家族から、本県の重度障害者医療費助成の継続を求める声が数多く上がっております。  そこで、知事にお伺いいたします。  この重度障害者に対する医療費助成について、今後県としてどのようにしていこうと考えているのか、ご所見を伺います。  質問の第2は、粒子線がん治療装置の導入について伺います。  我が国のがんによる死亡者数は、昭和56年に死因の第1位を占めて以来増加を続けており、厚生労働省の平成16年の人口動態統計によると、全国のがんによる死亡者数は32万315人で、全死亡者数の31.1%を占め、前年に比べ1万772人増加しております。  一方、神奈川県に目を転じますと、県内のがんによる死亡者数は1万8,640人で、全死亡者数の33.6%と、全国に比べ高くなっております。県立がんセンターの推計では、このまま推移した場合、神奈川県のがんの罹患数は、平成37年には、平成11年の1.9倍に増加すると見込まれており、罹患患者を抑制するための取り組みが課題となっているところであります。  一方、がん患者の生存率は診断・治療技術の進歩により向上しており、半数以上の患者が治る時代が訪れております。がん患者の生存率向上の要因としては、がん検診などによる早期発見や治療技術の向上などの相乗効果が考えられております。  こうした状況の中で、県は、がん克服のための総合対策として、がんへの挑戦・10か年戦略を策定し、「がんにならない・負けない 神奈川づくり」の取り組みを平成17年度より始めています。その目指す姿は、県民一人一人は、生活習慣の改善や健康の管理を行うなど、がんの予防や早期発見に努め、県はそれを支援する環境を整えることにより、がん患者を減らし、死亡率を全国で低い方からベスト10を目指すというものであります。  がんにならない神奈川づくりとは、がん発生の大きな要因となっているたばこ対策の推進や、生活習慣の改善を県民一人一人が努めて行うことなどの予防対策の推進、マンモグラフィの導入等による乳がん検診の充実等、がん検診の強化による早期発見体制の整備を推進することとなっております。  また、がんに負けない神奈川づくりとは、PET-CTや重粒子線治療装置等の最先端機器の導入により県立がんセンターの機能強化を図ること、産学公共同による医療研究を進めること、地域がん診療拠点病院を整備することなどの、高度ながん医療の提供と医療ネットワークづくりや、在宅緩和ケアの仕組みづくりをするなどのターミナルケア体制の充実など、県が支援する環境整備を促進することとされております。  この、がんへの挑戦・10か年戦略の中で、県が支援する環境整備体制として、高度ながん医療の提供と医療ネットワークづくりやターミナルケア体制の充実が示されておりますが、基幹がん診療拠点病院として県立がんセンターの機能強化を図り、最先端の医療機器の導入を進めることは、高度ながん医療の提供を担うという観点から大変重要なことであると考えております。  県立がんセンターの機能強化を図るための総合的な整備計画とは、最新の放射線検査・治療施設及び設備の整備、病床の見直し、外来治療機能・臨床研究所機能の充実、粒子線治療装置の導入とされており、がんへの挑戦・10か年戦略の、平成17年度から平成26年度までの計画では、平成17年度から平成18年度に総合的な整備計画を策定する、平成19年度から平成22年度には検診の精度の向上、最新医療の強化を重点に置いた総合的な整備に着手する、平成23年度から平成26年度には総合的な整備の推進・供用開始により医療機能をさらに充実することが掲げられております。  そこで、知事にお伺いいたします。  本年度は整備計画を策定すると聞いておりますが、どのような内容なのでしょうか、また実際の整備計画の進捗状況はどのようになっているのか、あわせて伺います。  がんへの挑戦・10か年戦略によれば、がんの診断・治療に関しては、県立がんセンターの機能強化がうたわれ、粒子線治療装置の導入も検討され、粒子線治療装置検討協議会も組織され、検討が行われたと聞いております。粒子線治療とは放射線治療の一種で、従来の、エックス線による放射線治療が、病巣部を含む前後の組織を貫通して治療するため副作用が避けられないのに対しまして、粒子線治療は原子核を加速装置で高速に加速し、病巣部にぶつけ、がんを死滅させる治療法であり、がん病巣部だけをねらい撃ちできるので副作用がほとんどないと言われております。  私は、平成17年4月に、自民党県議団の一員として、山田文雄団長のもと安藤博夫、鈴木恒夫議員と4名で、神奈川県の粒子線治療装置導入に資すると考え、世界の粒子線治療をリードする、アメリカのマサチューセッツ総合病院陽子線治療センターの最先端の陽子線治療施設を視察することができました。マサチューセッツ総合病院(通称MGH)、陽子線治療センターは、1960年代よりハーバード大学サイクロトロンセンターで行われていた陽子線治療研究で、陽子線治療ががん治療に極めて有効であることが実証されたことによって、マサチューセッツ総合病院で新たに建設したものであり、2001年に治療が開始されて以来800人以上が治療を受けております。  視察では、陽子線治療装置の運転責任者などから幅広い情報を得ましたが、その中で、地域の中枢医療機関のあり方として、あらゆる医療ニーズにこたえる義務がある、施設に何を期待するかよく考える必要がある、施設は患者中心の配慮でつくられるべきである、患者相談に乗るソーシャルワーカーが必要である、治療時間をふやせば治療患者をふやすことができる等、神奈川県の地域中枢医療機関が粒子線治療装置を持つ場合の参考となる情報も得ることができました。  視察の感想といたしましては、県立がんセンターとマサチューセッツ総合病院のがん治療部門は、地域の公的中枢がん医療機関であり、役割は同じはずであるということ。この観点から、粒子線施設は必須であり、また、その機能は患者中心で、あらゆる患者の希望にこたえられる施設であるべきで、「神奈川県立がんセンターに行けば、こんながんも治してくれる」と言われるような患者本位の病院であるべきであるというものであります。  また、がん患者は多くの悩みを抱えているので、相談を受ける専門医や社会福祉士を配置し、あらゆる患者の相談に応じるべきであり、近年多くの県民ががんで死亡している現状を見ると、いずれにしても早期に粒子線治療を実現することが急務であり、がんへの挑戦・10か年戦略の施策実現のかぎを握るのではないかと考えております。  マサチューセッツ総合病院では、年400名のぺ-スで患者を治療していると聞きました。また、米国のロマリンダ大学では年間1,000名以上の患者を陽子線装置で治療しているとの情報もあり、さらにアメリカやドイツで数千人規模の治療が行える陽子線治療施設が建設中であるとも聞いております。  また、国内においても、放射線医学総合研究所で開発が進められている普及型炭素線治療装置は、順調に行われており、その1号機は群馬大学に設置される予定と聞いております。また、福井県が今年中に陽子線の導入を決め、設計入札を行うという情報もあるほか、さらに全国各地で粒子線治療装置導入の動きが数十件あることを確認しております。  本県の近隣を見ても千葉県、茨城県には既に施設があり、さらに茨城県、群馬県、東京ベイエリアでは粒子線治療センター構想が進められており、人口900万人近くを抱える神奈川県が粒子線治療の空白地域にならないよう早急に設備導入を図るべきであると考えております。  県立がんセンター粒子線治療装置検討協議会の報告によりますと、粒子線治療は、同じ局所療法である手術と遜色ない成績となってきており、体の症状により手術が困難な患者にとっては、唯一期待できる治療法となっております。適応する症例も広がってきておりますが、治療法はまだまだ改善を要する余地があり、今後の研究・試験の進展により一層の成績の向上が期待されている治療法であります。  しかし、現時点では、初期の投資額が非常に多額であり、民間医療機関ではなかなか難しい治療法であることから、患者や県民のニーズの高い先進的な治療については、公の専門的な医療機関や大学病院などが取り組むべき課題であり、神奈川県が主体となって粒子線の導入を検討することは時宜を得ているとされております。また、粒子線装置を導入するのであれば、現在、国が開発を進めている、小型化された、炭素の原子核を用いた重粒子線装置とすべきであるとされております。  そこで、知事にお伺いいたします。  このような状況の中で、本県でも、具体的な導入の計画を立てるべきであると考えますが、がんへの挑戦・10か年戦略の中で、県立がんセンターの総合的な整備計画に位置づけられている粒子線治療装置については、どのような導入スケジュールを予定しているのか、ご所見を伺います。  県立がんセンターの機能強化を図る中で、PET-CTなどの診断装置や重粒子線治療装置などの治療装置を導入するに当たり、重要となるのは、装置を的確に操作するための人材育成であると考えております。幾ら最先端の技術を導入しても、装置を使って的確に操作する人がいなければ意味をなしません。また、診断装置と治療装置は関連しております。例えば粒子線治療装置はがん病巣部だけをねらい撃ちできるので副作用がほとんどないと言われておりますが、PET-CT装置により、病巣部がどこであるかという正確な診断がなされなければ、意味をなさないのは明らかなことであります。PET-CT装置を使いこなすには、2,000人以上を診断して初めて一人前と言われております。また、重粒子線治療装置の操作は、医師・オペレーター・放射線技師がチームとなって行うべきものでありますから、導入に当たって人材育成は重要な問題であります。  そこで、知事にお伺いします。  県立がんセンターにおいて、重粒子線治療装置を導入する場合、一体どのような体制で治療を行おうとしているのでしょうか、また、どのような方法で人材を育成しようとしているのでしょうか、ご所見を伺います。  質問の第3は、県立高校の校風づくりについて伺います。  今、県立高校は少子化と、社会状況の変化のもとで大きな変革期を迎えております。県立高校においては、生徒の興味・関心や学習希望・進路希望等に一層の多様化が見られ、また生徒数の減少に伴い、学校の小規模化が進んでいると認識しております。  こうした中、県教育委員会は、平成11年11月に、県立高校改革推進計画を策定し、平成12年度から16年度までの前期では、14組の再編統合と、単位制普通科高校などの新しいタイプの高校等が19校設置されました。そして、今後、後期計画の実施に着手していくと伺っております。  高校進学を目指す中学生にとっては、さまざまなカリキュラムを持つ高校が次々に誕生し、みずからの興味・関心に応じた高校選びが可能になりつつあります。平成17年度入学者選抜から、通学区域も撤廃され、全県1区となり、中学生は県内のいずれの県立高校にも進学することが可能になりました。  高校選択の幅が広がった中で、カリキュラムを中心とした選び方も大きな要素でありますが、さらに、多感な高校生活3年間をどのように送っていくかということも重要になってまいります。有意義な高校生活を送るためには、県立高校がそれぞれ特色ある学校となり、その特色を中学生に知ってもらうことが必要であると考えております。こうした中には、大学への進学に力を入れる高校、クラブ活動を熱心に行う、例えば野球で甲子園を目指すような高校、勉強も部活動も頑張る、いわゆる文武両道を目指す高校、また将来社会に出るためのしつけを厳しく身につけさせるなどの特色があってもよいと私は考えております。  こうしたことは、学校の校風というものに結びついてくると考えております。総合学科高校など新たなタイプの高校をつくっている今こそ、改めて校風ということを認識し、取り組んでいくことが必要であると思います。この取り組みが目に見えるものとなるには時間がかかることも承知しておりますが、時間をかけて積み重ねた成果が校風となり、伝統が築き上げられていくものだと思っております。  県立高校が地域に根差し、県民に信頼される学校であるためには、今後まさに校風をつくり上げていくことが重要であり、このことが学校の特色づくりとあわせ、真の学校づくりであると私は考えております。  そこで、教育長にお伺いいたします。  こうした校風を築き上げるには時間がかかるものであり、校長を初めとする教員が高校に愛着を持ち、時間をかけて伝統を築き、引き継いでいくことが必要であると考えております。そこで、県立学校の校風について、どのようにして築き上げていこうと考えているのか、お伺いをいたします。  質問の第4は、自主防犯活動について伺います。  本年4月1日より、神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例が施行され、広報・啓発や防犯教室・防犯キャンペーンなどの防犯対策活動、また、推進協議会を設置するなど、県民総ぐるみで、全県的な取り組みとして安全・安心まちづくりを推進していると認識しております。また、神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例第9条にあります、民間の団体に対する支援では、「県は、安全・安心まちづくりを推進しようとする民間の団体に、適切かつ効果的に安全・安心まちづくりを推進できるよう、助言その他の必要な措置を講ずるものとする」とされております。  そこで、知事にお伺いいたします。  この条例第9条に規定されている、安全・安心まちづくりを推進しようとする民間の団体等に対する助言その他の必要な措置とは、具体的にはどのようなことをするのでしょうか、また実施したケースがあるのでしょうか。また、県内各地で、大小さまざまな団体が自主的に防犯パトロールなどの取り組みを行っていると思いますが、現在、県内に防犯活動に自主的に取り組んでいる団体は幾つあるのでしょうか。神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例が施行されて以降、自主防犯活動団体は着実にふえてきていると思われますが、この自主防犯活動によって、犯罪発生件数は減ってきているのでしょうか。さらに、知事は、県内にどのくらいの数の自主防犯活動団体があれば、理想とする安全・安心なまちづくりが実現できると考えているのでしょうか、あわせて伺います。  次に、神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例第12条に、顕彰規定がありますが、自主的な防犯活動の取り組みに対して、安全・安心まちづくりの推進に功績があったことが認められる団体・個人に対して表彰を行う顕彰制度と承知をしておりますが、物心両面にわたる取り組みが行われようとしているということは、推進団体から見ますと、このまま自主防犯パトロールを進めていく上で大変ありがたいことだと思います。また、自主防犯活動を行う団体から見れば、活動により犯罪発生件数の減少を図り、その活動が評価され、知事から表彰されるとなれば、これは大きな励みであり、大変いいことであると思っております。  そこで、知事にお伺いいたします。  この顕彰制度とは、具体的にはどのような制度なのでしょうか。また、表彰される団体・個人は、どのような基準で選ばれるのか伺います。  私の地元の日野南自治会の「みちの会」では、208名のパトロール隊員がいて、常時交替でパトロールを実施しています。その実績が認められて、本年、警察庁長官より、「地域安全安心ステーションモデル事業」をいただきました。自治会館の一部を常時開放してパトロール隊員の詰所として使用してもらうとともに、208名のボランティアの人々で、自治会館を防犯活動の拠点として、見張りを行う等して、地域の安全・安心まちづくりに大いに寄与しているところであります。  そこで、知事にお伺いいたします。  このように、住民・町内会・自治会・団体等が積極的に防犯活動を行う際に、打ち合わせ、情報交換、情報発信、パトロール出動などの拠点として使用できる防犯活動拠点を設置する場合の市町村への助成事業が、本年度からスタートしていると承知しております。例えば、既存の自治会館などの一部を活動拠点とするといった場合も考えられると思いますが、このことを含め、この制度で対象となる施設の形態や助成内容はどのようなものなのでしょうか。また、実際に活動の拠点となる場所の名前について、民間交番なのか、地域防犯自主活動拠点なのか、安全・安心ステーションなのか、条例にも明記がありませんが、知事は、この条例の意をくんで自主防犯パトロールをする団体の拠点を何と呼んだらよいと思うか、あわせて伺います。  最後になりますが、こうした県内各地域で実施されている自主防犯活動の取り組みに対する知事ご自身の評価はどのようなものなのでしょうか。雨の日も風の日も、安全・安心なまちづくりを草の根で担っている地域の自主防犯活動団体の皆さんの活動に対して知事は感謝の気持ちをお持ちなのか、あわせて伺います。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。〔拍 手〕〔知事(松沢成文君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) 桐生議員のご質問に順次お答えをいたします。  まず、重度障害者医療費助成についてのお尋ねがありました。  この医療費助成制度は、重度障害者の医療費自己負担分について、市町村が助成するもので、これまで障害者の健康保持と生活の安定に大きく寄与してきたものと考えております。平成17年度は、本県では、当初予算に約76億3,000万円の市町村への補助金を計上しており、市町村負担分を加えた助成総額は190億円となる見込みでございます。この数年の助成総額は、対象者の増加により、急激に伸びておりまして、今後年間約20億円の増加が見込まれ、昨今の厳しい財政状況のもとで、事業の実施者である各市町村にとっても深刻な状況となっております。  このような状況を踏まえ、市町村では、医療費助成制度の円滑な運用を目的として、みずから今後の制度のあり方について事務研究会で検討を続けておりました。本年4月には、制度を安定的かつ継続的に維持していくために、県が将来ビジョンを示し、抜本的な見直しを行うことを求める要望を全市町村よりいただいたことから、今後の助成制度のあり方を議論するための検討会を共同で設置したところでございます。  障害者の中でも重度の方々にとって、医療的サービスは必要不可欠であり、この制度を持続可能なものとするためには、県としても見直しにも取り組まざるを得ない状況と考えております。見直しに当たっては、国会に再提出が予定されている障害者自立支援法案による新たな医療制度との調整や、高齢者医療制度改革への対応など、さまざまな課題があり、今後、市町村との議論や、障害者や関係団体の方々との意見交換を重ね、慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、粒子線がん治療装置の導入についてのお尋ねをいただきました。  まずは、県立がんセンターの整備計画についてでございます。  議員のお話にありましたように、本県のがんによる死亡率が約3分の1を占め、今後も増加すると見込まれる中で、県立がんセンターの総合整備を、がんへの挑戦・10か年戦略の重点項目に位置づけ、県政の重要課題として取り組んでいるところであります。  この整備計画につきましては、本年2月に、がんセンター総合整備基本構想を取りまとめて、この構想をもとに、今年度は、土地規制などの立地条件を踏まえた、建物規模や配置計画、また病院運営を続けながらの整備を前提とした整備手法などを検討して、整備計画を策定することとしております。  具体的には、近隣の建物調査、関連法令の調査や日影調査などを行い、病院の敷地内の建設可能範囲と規模、また敷地内のどの場所にどの程度の高さの建物が建設できるのかということなどの配置計画を整理することとしております。あわせて、現在、患者の動線、患者1人当たりの診療時間や外来化学療法室の利用状況、また入院患者の車いすの利用率などの調査を行っているところであります。  この結果を踏まえまして、病棟、外来治療施設、放射線診療治療施設、手術室、さらには臨床検査、薬剤、調理部門などの病院の各部門の必要規模と配置計画を整理し、施設全体の建設工事費を算出いたしまして、整備計画全体の事業規模を確定してまいりたいと考えております。  この整備計画に基づきまして、平成18年度以降に、基本設計、実施設計を行いまして、がんへの挑戦・10か年戦略の展開・整備期である第2ステージには、整備に着手したいと考えているところでございます。  次に、粒子線治療装置の導入スケジュールについてのお尋ねをいただきました。  粒子線治療は最新の治療法であり、身体の深い部分にあるがんに対して集中的に照射する特性を発揮するため、導入によって確実な効果が期待できるものであります。昨年度、がんセンター粒子線治療装置検討協議会におきまして、導入する際には、小型化の開発が進められている重粒子線治療装置とすべきであるとの報告をいただきました。この報告を踏まえまして、がんへの挑戦・10か年戦略の中で、重粒子線治療装置の小型化の開発動向や国の補助制度の創設を見きわめながら、治療効果の優位性が期待される重粒子線治療装置の導入を目指していくこととしております。  この7月には、放射線医学総合研究所や県内の大学病院の専門医をメンバーとする、重粒子線治療装置導入検討会を開催し、導入に向けた取り組みを進めているところでございます。小型化の開発動向については、この検討会の中でも、小型化に対応する粒子線の加速器や照射装置の基本設計にそれぞれめどが立ったことが明らかになりました。こうした開発状況を踏まえまして、平成18年度に、国立群馬大学で、小型化された装置の第1号機製作に着手する計画があるようでございまして、この計画によりますと、装置の製作には3年ほどかかり、その後に治験を行って症例の検討を行い、薬事承認の申請をすることになるということでございます。したがいまして、医療機器として使用できるようになるのは、平成22年から23年ごろになるのではないかと伺っております。  これらのことを踏まえまして、引き続き、装置の小型化の開発計画の状況を注視し、少しでも早い導入を目指したいと考えておりますが、県内で唯一の治療装置となることが予想されますことから、県内の医療機関との連携策につきましても検討を進めながら、本県への導入計画を具体化してまいりたいと考えているところでございます。  次に、重粒子線治療装置に係る運営体制と人材育成についてのお尋ねをいただきました。  本県が重粒子線治療装置を導入する際に、装置を的確に操作するスタッフを確保するなど、運営体制面の対応策も整えておく必要があると考えます。重粒子線治療装置の運営に当たっては、一般の放射線治療装置と異なり、医師や放射線技師、看護師だけではなく、重粒子線の照射装置・治療計画装置・加速器の維持管理を行う技術者や、放射線の照射量を計算した上で精密な治療計画を立て、照射条件の設定や測定などを行う医学物理士などがチームを組んで治療に当たる体制を整備する必要がございます。  また、人材育成につきましては、さきに開催した重粒子線治療装置導入検討会において、放射線量の集中性が高く、生物学的効果が高い重粒子線では、特に医学物理士が粒子線治療を行う上で大変重要な役割を担っているとのご意見をいただいたところであります。現在、県立がんセンターには医学物理士はおりませんので、重粒子線治療装置の導入に当たっては、まず人材の確保を図ることが今後の課題でありますので、がんセンターの職員に医学物理士の資格を取得させることなどを検討しております。  また、人材が確保されましても、すぐに装置を稼働できるわけではなく、重粒子線を照射する際の精度や安全の管理、綿密な治療計画の作成などの面で、装置に習熟するには相当の期間を要するとのことであります。こうしたことから、人材育成につきましては、既に重粒子線治療装置を導入している放射線医学総合研究所に職員を派遣し、研修を行うなど、連携を図っていくことが重要であると考えております。  今後とも重粒子線治療装置の運営体制や人材育成につきましては、県立がんセンターへの重粒子線治療装置の導入に当たっての大きな課題であると認識をしておりますので、検討会の場で十分な議論を行いながら、着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、県民の皆さんの自主防犯活動について数点お尋ねがございました。  まず、民間の防犯活動団体に対する助言、その他の必要な措置についてのお尋ねであります。  議員のお話にもありましたが、本年4月1日に施行された、神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例第9条では、民間の団体が適切かつ効果的に安全・安心まちづくりを推進できるよう助言その他の必要な措置を講ずるものとしております。この規定に基づき、くらし安全指導員による助言を初め、今年度からは活動中に負傷された方などに支給する事故給付金制度や、新たに活動を開始される団体に経費を助成する団体事業補助金などを開始するとともに、情報誌「くらし安全通信」による防犯対策の情報など、自主防犯活動団体に対する支援、情報提供を行っております。  次に、県内で自主的に防犯活動を行っている団体数でございますが、多くの県民の皆さんに県内各地で自主的に取り組んでいただいており、そのすべてを把握することは困難でございます。そこで、県で把握している数字でお答えをいたしますと、事故給付金制度と団体事業補助金制度を活用している団体は、6月末で約270団体でありましたが、8月末現在では約600団体となっており、着実に増加してきております。  次に、県内の犯罪発生件数についてでありますが、最新の本年1月から8月までの県内の刑法犯認知件数は9万5,483件で、前年同期と比較すると3万486件、24.2%の減少となっており、また検挙率は前年同期の23.1%から31.7%へと8.6%上昇をしております。こうした成果は、警察官の増員を初めとした警察力の向上はもとよりでありますが、自分たちのまちは自分たちで守るという県民の皆さんの熱意と自主防犯活動の広がりが大きく寄与しているのではないかと受けとめております。  したがいまして、安全・安心まちづくりに必要な自主防犯活動団体数につきましては、おのおのの団体がカバーする活動エリアもさまざまでございますので、一概に団体数で申し上げるのは難しい面がありますが、一人でも多くの県民の方々が防犯意識を持って、すべての地域で防犯活動に取り組んでいただくことが大切なことだと考えております。  県といたしましては、県民の自主防犯活動の輪を大きく広げていただくために、今後ともできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、自主防犯活動に対する顕彰制度についてお尋ねをいただきました。  神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例では、県民の自主防犯活動をさらに活性化し、県民総ぐるみの取り組みへの機運を醸成するために、顕彰に努めることとされております。  そこで、先般、顕彰の要綱を定めたところでありますが、まず、顕彰の種類としては、一つ目に、安全・安心まちづくりの活動に長年にわたり取り組み、功績が特に顕著な個人・団体を表彰する功労者表彰と、二つ目に、他のモデル・模範となる実践的な活動を行っている個人・団体を表彰する奨励賞の2種類を設けております。この表彰は毎年度実施してまいりますが、表彰候補者につきましては市町村長、警察本部長、関係行政機関の長などから推薦していただくことにしております。  次に、表彰の基準ですが、功労者表彰は、通算して15年以上活動に従事し、現在も引き続き活動している団体等を対象として、活動の創意工夫、困難性などを総合的に判断して選考してまいります。また、奨励賞につきましては、活動を継続的に行っており、その活動内容を奨励することで波及効果が期待できる団体等を対象として、活動の先進性、実績、発展性などを総合的に判断して選考をしてまいります。  そして、ここで選ばれた個人・団体の皆さんには、来年2月開催予定の県民大会において表彰し、その成果等について事例発表をしていただくことになっております。また、情報誌「くらし安全通信」等により、広く県民の皆さんにご紹介することによって、自主防犯活動の活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、市町村防犯活動拠点設置事業費補助金についてのお尋ねがありました。  議員のお話にもありましたが、この補助制度は、県民の皆さんが地域の実情に応じて自主防犯活動に取り組んでいただくため、今年度から創設したものでございます。  まず、この補助制度は、住民・町内会・自治会・団体等が防犯活動を行う際に、打ち合わせ、情報交換、情報発信、パトロール出動などの拠点として使用する施設を市町村が設置する場合に助成するものであります。  次に、施設の運営等の形態についてでございますが、施設の設置は市町村みずからが行うことが必要ですが、管理運営は団体への委託も可能となっており、施設の構造については、独立したものに限らず、既存の施設の一部を改修するものも対象にしております。  具体的には、市町村が整備する場合の補助対象経費といたしまして、施設を新設する場合の建物の購入費用や工事費用、そして、既存の施設を改修する場合の工事費用、さらに、防犯活動拠点設置に伴う物品の購入費やリース料などでありまして、その整備費の2分の1を100万円を限度額として助成するものでございます。  そこで、議員からお話のありました、既存の施設の一部を使用する場合ですが、まず、使用目的が防犯活動拠点として明確になっていること、そして二つ目に、空間的にも他の目的で使用される部分と切り離されていることが基本的な条件になりますが、個々のケースについては市町村から具体的な整備内容をよくお聞きして、助成制度の趣旨を踏まえてきめ細かく対応してまいりたいと考えております。  なお、自主防犯活動拠点につきましては、番屋、防犯ステーションなど、さまざまな名称があると承知しておりますが、この助成制度で整備する拠点の名称につきましては、市町村が地域住民の皆様と十分話し合って自主的にお決めいただき、地域になじまれるわかりやすい名称としていただくことがよろしいのではないかと考えております。  最後に、自主防犯活動の取り組みに対する評価についてのお尋ねがありました。  現在、犯罪のない神奈川の実現を目指して多くの県民の皆さんに、それぞれの地域の実情に応じて、自主防犯活動に積極的に取り組んでいただいております。私自身もウイークリー知事現場訪問など、自主防犯活動に取り組んでいらっしゃる県民の皆さんに直接お会いする機会を設け、何度か一緒にパトロールをさせていただきました。皆さんが自分たちの身近で起こる犯罪に強い危機感を持って、熱心に防犯活動に取り組んでいただいていることを肌で感じてまいりました。  また、犬の散歩を利用して行う「ワンワンパトロール」や、拍子木を使ったパトロールなど、さまざまな工夫を凝らして防犯活動に取り組んでいただいており、こうした活動が、例えば空き巣の発生を大幅に減少させるなど、大きな成果を上げているといったお話も伺っております。  県内の犯罪発生件数の推移は、戦後最悪であった平成14年をピークに、年々減少傾向にあり、私は改めて県民の皆さんが神奈川から犯罪をなくしていこうという熱意のもと、ボランティアとして自主防犯活動に取り組んでいただいていることに対しまして高く評価するとともに、深く感謝を申し上げる次第です。  県といたしましては、引き続き県民の皆さんの自主防犯活動を支援するとともに、情報交換の場づくりなど、自主防犯活動団体のネットワークづくりにも積極的に取り組み、県民の皆さんと一体となって、犯罪のない安全で安心な神奈川の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。〔教育長(引地孝一君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 引地教育長。 ◎教育長(引地孝一君) 教育関係についてお答えいたします。  県立高校の校風づくりについてお尋ねをいただきました。  校風とは何か、改めて考えてみますと、それぞれの学校において教育目標や校訓など、いわば精神的な基盤に基づき、さまざまな教育活動を行う中で、その学校ならではの学習活動や学校行事、部活動などの場で生徒が人間的に成長し、そうした体験が世代から世代へ継承される、その積み重ねがやがて校風として認められ、築き上げられていくものと考えております。  例えば、文武両道、あるいは質実剛健、さらには自主自立といった言葉で校風をあらわす伝統校もありますし、議員からしつけ教育も特色の一つというお話をいただきましたが、ボランティア活動が大変盛んな秦野南が丘高校では、生徒が地域で活動する機会も多く、あいさつやしつけを徹底しておりまして、これも校風の一つであると思っております。  また、三崎水産高校では、実習として長期の遠洋航海を実施しておりますが、実習後には自分の学校の制服や校風に誇りを感じるようになると聞いております。  さらに、高校改革の中で、再編統合により新たに生まれ変わった学校においても、例えば金沢総合高校では、開校1年目で女子バスケットボール部が全国優勝を果たすなど、再編による二つの学校の伝統を引き継ぎ、新たな校風が生まれようとしております。  このようにさまざまな教育活動の中で生まれる校風は大変重要であり、そうした校風を築くためには、校長以下教職員がその学校に愛着を持ち、一丸となって特色づくり、活気あふれる学校づくりに取り組んでいくことが大切であると思っております。  そこで、教育委員会といたしましては、校長が、学校経営の責任者として、じっくり特色づくりに取り組んでもらえるよう、在任期間の長期化に努めるとともに、教員みずからが校風を受け継げるよう、中核となる教員の異動につきましても柔軟に対応してまいりたいと考えております。  歳月の中で人が変わっても、学校の活動は続いてまいります。継続した取り組みを通して、地域に根差したよき校風を築き上げ、県民の期待にこたえることができる、特色ある県立高校づくりを今後も進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。〔桐生秀昭君発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 桐生秀昭君。 ◆桐生秀昭君 多少時間が残っておりますで、自席からの発言をお許しいただきたいと思います。一つは、知事に対して再質問、一つは提案ということでご理解をいただきたいと思います。  今、傍聴の方から、知事が自主防犯活動を高く評価する、深く感謝という話の中でうっかり拍手が出てしまったようで、大変恐縮に存じます。  質問の方ですが、神奈川県内には、私立大学医学部、公立大学医学部等々あります。先ほどの粒子線治療装置導入ですが、今横浜市立大学医学部も粒子線導入を考えているようでございますが、こちらとの連携協力、人材確保、人材教育、また、PET-CTは市大の方が先に導入して実験過程を進めておりますが、こちらとの連携協力を県として持つ気持ちがあるのかどうか、知事にお伺いをしておきます。  それと引地教育長におかれましては、細かいご回答ありがとうございました。私も一つ、今の話で、学校長、職員の在任期間というのが、校風をつくる上でかなり障害になっているのかなと思います。県は今12年が最長在任と伺っておりますが、平均7年弱ということですから、3年1回として、2サイクルでもう出ていってしまう。学校の教員そのものも校風を知らない、つくれない、生徒にも教えられない、こういう状況が続いているのかなと。ここで再編統合が続く中で、新たにつくっていただきたいと思います。  広辞苑で調べますと、校風というのは、その学校が特色とする気風、スクールカラーというふうに表現されておりますが、スクールカラーというものを各学校でつくっていただいて、地元に愛される県立学校をつくっていってほしいと感じました。これからもよろしくお願いしたいと思います。  それと同時に、私が最近気になるのは、昨年二つの公立高校の卒業式に出させてもらいましたが、一つはきちっと生徒も先生も私たちが入り口から入ると一礼をする、もう一つはどこかよそを向いていると、こんな高校二つに出くわしましたが、一つの方のきちっとした礼儀作法ができているところはきちっとした校風ができています。そこに女性生徒を入れますと、将来、いいお嫁さんになるぐらいのことを言われている高校なのですが、もう一つの方はひどかったなというのが実感であります。  この辺も、礼儀作法の原点のあいさつの励行-僕も運動系をやっていましたので、グラウンドに入るときは一礼して入る、出るときは一礼して出るぐらいの、学び舎という理解があれば、入るときは一礼して入る、先生と交われば一礼して廊下をすれ違うだとか、こんな簡単なことをぜひとも運動として進めてほしいということをご提案をさせていただきます。〔知事(松沢成文君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) 桐生議員の再質問にお答えをいたします。  まず、本県への重粒子線治療装置の導入に際しての人材確保に関して、県内の大学医学部、特に横浜市立大学との連携についてのお尋ねがございました。  重粒子線治療装置の運営には、先ほども申し上げましたが、医学物理士等の専門家の確保と養成、あるいは患者さんの紹介方法等を、大学病院を初めとする県内の医療機関との連携協力によって構築していくことが極めて重要だと考えております。  そこで、今年度は、横浜市立大学の放射線科の教授を初めとする、県内の四つの大学病院の放射線の専門医などをメンバーとする、重粒子線治療装置導入検討会というのを設置いたしまして、人材育成など、さまざまな課題について、この検討会の場で、十分な議論を行っているところであります。  重粒子線治療装置導入に際しての人材確保、あるいは育成につきましては、横浜市立大学とも、よく連携をしてまいりたいというふうに考えております。  以上です。〔桐生秀昭君発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 桐生秀昭君。 ◆桐生秀昭君 以上をもちまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(牧島功君) お諮りいたします。  この際、休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(牧島功君) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は15分後といたします。                  午後4時23分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成17年9定-20050922-026020-質問・答弁-鈴木とも子議員-一般質問①水源環境保全・再生施策について②アスベスト対策について③エコループ・プロジェクトについて④次世代育成施策について⑤湘南のなぎさを守ることについて⑥基地問題について》                   午後4時43分 再開   〔事務局長報告〕  出席議員 副議長共71名 ○副議長(田村政晴君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(田村政晴君) 質問を続行いたします。  鈴木とも子君。〔鈴木とも子君登壇〕(拍手) ◆鈴木とも子君 私は日本共産党県議団を代表し、質問いたします。  初めに、水源環境保全・再生施策について伺います。  継続審査となっている、神奈川県県税条例の一部を改正する条例は、県民に新たに41億円を負担させ、水源環境保全・再生実行5か年計画を進めようとするものですが、この計画には、もともと新税を導入すべきでない施策があるなど、さまざまな問題が含まれています。  例えば水源の森林づくり事業です。もともと水源の森林づくり事業は、水道利用者に一部負担は求めるものの、その他の負担を県民に求めることはないとして始まりました。当初、総事業費1,450億円でしたが、確保単価と整備単価が下がったこともあり、2003年4月の見直しで1,001億円に、さらに2004年11月には整備のスピードアップや公有地化の比率の拡大だけでなく、対象面積を2万8,900ヘクタールから2万7,000ヘクタールに減らし、整備単価が最もかからない協力協約の割合を20%から30%にふやすなどの見直しもされ、総事業費は695億円と大幅に引き下げられました。  ところが、5か年計画では、2004年の見直しの中で、整備のスピードアップと公有地化の拡大などを、拡充事業の名目で、16億7,900万円の新税を充てるとしています。しかも、この拡充事業には、より一層の取り組み分という内容の不明確な、事業が9億4,215万円も含まれています。整備のスピードアップや公有地化の拡大、内容の不明確な、より一層の取り組み分などを拡充部分として、いかにも事業費がふえているかのように見せかけ、新税を導入するのは道理がありません。1,001億円の事業費が695億円に縮小された2004年の見直しは、総体的には拡充ではなく縮小だと考えますが、知事の見解を伺います。  ことし3月15日の予算委員会で、我が党のみわ議員が、「水源の森林づくり事業はこれまで順調に進められてきました。これまでどおり、一般財源など既存の財源で進めるべきであると考えるがいかがか。」との質問をしました。これに対して知事は、「本日のご議論の貴重なご意見等々を踏まえまして、水源の森林づくり事業については、既存財源を活用すべきとの認識を持たせていただいた」と明確に答弁しています。この答弁の立場に立てば、水源の森林づくり事業に新税を導入すべきではないと考えますが、知事の見解を伺います。  相模川水系流域環境共同調査は、県外上流域の私有林の現況の調査、水質汚濁の負荷調査、生活排水対策管理状況調査を行う新規事業です。この調査は県外へのさまざまな施策を進めることにつながるものです。一方、実行5か年計画の12施策の中で、11施策は5か年計画後も引き続き実施する施策とされています。このことは、相模川水系流域環境共同調査による県外への施策が新たな県民負担につながるものと考えられます。5年後の見直しの中で新たな県民負担がないと言えるのか、知事の見解を伺います。  次は、アスベスト対策についてです。  現在、県立学校では、43校で体育館等にアスベストフェルトが使用されていますが、毎年、目視で劣化のチェックをしているから安全だとしてきました。アスベストフェルトはアスベスト含有率が85%と高く、劣化すると飛散の可能性は高いとされています。  そこで、このパネルをごらんください。   〔図表提示〕  これは、日本共産党県議団が、ことし7月19日と8月5日に行った県立学校のアスベストフェルト使用の天井を写した写真の一つです。ごらんのようにフェルト材がはげ落ち、こちらで同行をお願いした専門家も明らかに飛散していると思われると述べていました。また、この写真の実態から、一定量のフェルト材が床に落ちたと考えられますが、教育局は、劣化したフェルト材の処理等について指導しておらず、フェルト材がいつはがれて、どのように処理されたかもわからない状況です。しかも、現在この学校では通常どおり体育施設として使用しております。  知事は先日の本会議で、劣化が進んだものは利用者の安全対策をとって、早急に除去を実施することとしていると答弁されましたが、この写真のように、劣化が進んでいる県有施設については、直ちに除去工事をすべきと考えますが、知事の見解を伺います。  また、過去の大震災では、指定の有無にかかわらず、災害時の避難所として公共施設が利用された経緯から、ことし7月に施行された石綿障害予防規則第1条第2項も踏まえ、県有施設に使用されているアスベストフェルト等のアスベスト建材は、計画的に除去する必要があると考えますが、あわせて知事の見解を伺います。  経済産業省は、昨年10月以前に製造したアスベスト建材については、経過措置として販売を認めてきました。しかし、アスベストによる健康被害が明確になる中、7月26日、経済産業省は業界団体に対してアスベスト建材の在庫品の販売を禁止するよう要請しました。しかし、回収措置や販売禁止の法的措置はとられていないので、アスベスト建材はまだ多数の在庫があるとされています。アスベストの含有量が少ない建材であっても、建築・解体工事等での健康被害を防ぐためには、在庫建材の使用は避けるべきであり、少なくとも県が行う工事ではアスベスト建材の使用はやめるべきです。今後の県の公共工事の発注では、アスベスト含有0%の建材の使用を入札条件にすることが必要と考えますが、知事の見解を伺います。  現在、国は県を通じてすべての病院、福祉施設、学校等に対し、必要に応じて分析調査をすることも含めて、吹きつけのアスベスト等の使用実態の調査をしています。県は民間の福祉施設等を、災害時、要支援者の避難所として位置づけており、利用者の健康問題も考え合わせれば、今回の調査でアスベストが使用されている場所を明らかにして、除去作業等の対応が十分に行われることが重要です。  しかし、分析調査とアスベスト対策工事は膨大な費用がかかります。国に対して、調査にかかわる経費と撤去費用の支援を求めるとともに、当面、県として、調査にかかる経費やアスベスト対策工事費などの必要な支援を実施すべきと考えますが、あわせて知事の見解を求めます。  アスベストの約9割が建設材などに使用されてきました。今後、建築物の建てかえ等の解体がピークを迎え、年間10万トン前後のアスベストが排出されると見られており、解体作業による新たなアスベスト被害者を出さないための対策が重要になっています。当面、県として、現行法を活用して、建設業法で解体工事ができることになっている土木工事業・建築工事業などの登録業者や、建設リサイクル法の解体事業者への啓発・指導をすること、そして建築基準法第15条の建築物除却の届け出を活用して、床面積10平方メートルを超えるすべての建物の解体等の作業について、解体時におけるアスベスト対策の啓発をすぐに取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。  また、事業者指導や立入検査、解体に関する技術支援をするために、建築職等の専門職員の増員を行うべきと考えますが、あわせて知事の見解を伺います。 次は、エコループプロジェクトについてです。  今月13日、山北町の佐藤町長は、エコループプロジェクトの立地候補地としての検討を断念すると議会で表明しました。株式会社エコループセンターによるエコループプロジェクトは、産業廃棄物と、横浜・川崎両市を除く県内市町村の一般廃棄物を一括処理する巨大ごみ処理施設を建設・運営しようとするプロジェクトで、発生抑制・生産者責任・身近で処理など、ごみ処理の原則に逆行するとともに、未確立な技術を前提にするなど、安全性・信頼性の面からも問題があるものです。  山北町では、町内6カ所で開催された説明会で、反対意見が続出するなど、住民の大きな反対運動が起こり、立地計画地の地権者37人のうち21人が同計画に協力できない旨の意思を表明しています。こうした住民・地権者の反対が町長を誘致断念させる大きな原因になったのは明らかです。  一方、県は、市町村に対し、廃棄物主管部局長会議、意見交換会、広域ブロックにおける民間活力活用勉強会などで、執拗に同プロジェクトへの参加を求めてきましたが、さすがに参加を表明した自治体は一つもありませんでした。知事は、山北町長の立地候補地断念を受けて、「事業主体の受けとめ方を注視するとともに、改めて市町村・ブロックの意見を伺い、今後の対応を考えてまいりたい」とコメントしていますが、事業計画すら提出していない、一民間企業のプロジェクトに加担し、市町村を誘導してきた県の責任は重大です。山北町長の断念表明を機に、株式会社エコループセンターと同プロジェクトへの支援を一切やめるべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次は、次世代育成施策について伺います。  神奈川県の次世代育成支援施策のうち、まず放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育について伺います。  知事は、ことしの予算委員会で、学童保育に対する県の姿勢についての我が党の質問に、県としても、次世代育成支援の重要な柱、小学生が生き生きと有意義な放課後を過ごせるよう事業のあり方を検討し、望ましい展開の方向を探り、その具体化に向けて取り組んでいきたいと答弁されました。県は、これまで、すべての「保育に欠ける小学生」を補助対象とし、市町村から上げられた補助申請には、小学校6年生までの事業にもすべてこたえていました。ところが、今年度は、実質対象を4年生までに限定した事業でも不足する予算しか確保されていません。これは明らかに県の次世代育成支援施策の後退です。  国は今回、放課後児童健全育成事業実施要綱を改定し、健全育成上指導を要する児童として、盲・聾・養護学校の小学部の児童及び小学校4年生以上の児童も加えることができるとして、6年生までを補助対象とする旨を示しています。県として、これまで同様に小学校6年生までの学童保育を担保できるようにすることは当然だと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、少人数学級の実施について伺います。  国の定数改善の弾力的運用で、ことしは神奈川県内の小学校では、18市4町124校、延べ134校で少人数学級が実施されています。昨年実施したすべての学校、教育委員会からは、効果が上がったとの研究報告が出されています。児童一人一人へのきめ細かな指導により、教科指導においても生活指導においても確実な成果が生じたなど、成果がさまざまに述べられており、少人数学級が制度として実施されるよう熱望されていることがわかります。  私たち日本共産党県議団は、6月に、30人程度学級の実施を知事の決断によって小学校と中学校の全学年で実施するという福島県を調査しました。県教育委員会や中学校の校長先生からも、少人数学級実施の成果に強い確信を持って取り組まれていることが話され、生徒たちが生き生きと集中して授業に向かっている姿勢も参観しました。  これだけの成果と確信が広がっている中、知事が決断して、県として少人数学級に足を踏み出すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、高校への進学を希望する子供たちの進路保障について伺います。  神奈川県は、ことしの公立高校の後期入試でも、7,500人の不合格者を出し、県教委は全日制の定員不足を定時制での1学級の定員増とクラス増で対応しました。しかし、それでも、定時制2次募集で55人の不合格者を出し、私学進学の選択もできず、高校進学をあきらめざるを得ない生徒を生み出しました。  県教委は8月29日の公私立高等学校協議会において、高校進学の最後のとりでである定時制高校の混乱をなくしていくための対応分としては953人の定員増が必要としていました。しかし、9月13日の公私立高等学校設置者会議では、これまでの協議を踏まえて、公立高等学校全日制入学定員計画を3万8,000人とするとの提案がされました。計画の決定は10月の県教育委員会において行われますが、この定員のままでは私学進学の経済的負担の軽減が行われなければ、例年以上の混乱が起きることが予想されます。  このときの設置者会議において、知事は、中学校卒業予定者が公私立高等学校全日制を幅広く主体的に選択できる環境づくりを行い、進学実績の向上及び、一人一人の希望と適性に応じた進路を確保することを目指し、経済的な課題等を抱えた生徒の受け入れについては抜本的な対策を検討するとともに、可能なものから着手していくとの提案をされました。  子供たちが公私立高等学校全日制を幅広く主体的に選択することができるためには、私学入学時の経済的ハードルを低くする支援、学費補助の充実、奨学金の申請は要件を満たしていれば認めること、返還免除要件の緩和を行うなど、支援の拡充を行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。また、教職員割の補助のうち、一部手当についても対象とするなど、経常費補助の内容を見直し、私学助成の拡充を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次は、湘南のなぎさを守ることについて伺います。  日本全域の砂浜はやせて、海岸侵食による浜がけと呼ばれる大きな段差が至るところにできています。湘南海岸でも、平塚相模川河口から茅ヶ崎、藤沢、秋谷海岸など侵食が進み、波打ち際の汀線と呼ばれる部分の後退、浜がけの形成などが進んでいます。知事も、5月に、ウイークリー知事現場訪問で平塚、茅ヶ崎の現地に行かれ、「想像以上に侵食が進んでおり、早急に何とかしなければいけない。」と語っておられましたが、私も先日現場を見て、余りにもひどいのに驚かされました。200メートル近い導流堤が海にせり出した平塚の新漁港がある相模川河口では、茅ヶ崎側の海岸が大きく後退していました。茅ヶ崎では砂浜の侵食を食いとめるためにヘッドランドがつくられました。しかし、海岸に立てられた看板には、「ヘッドランド付近は大変危険です」、「台風などで波の荒いときはもちろん、一見穏やかに見えるときでも、ヘッドランドに沿って沖への潮の流れが強いため、大変危険です」と書かれており、近くの海水浴場が危険な場所になってしまっています。そして、柳島消波堤東海岸、茅ヶ崎漁港とヘッドランドの間に大きな浜がけができ、サイクリングロード近くまで侵食が進んでいました。  藤沢ではこの夏、片瀬西浜にも80センチ近い浜がけが形成され、海水浴客を驚かせたとの報道もありました。補修したはずですが、先日現場に行ったときには、まだ50センチほどの浜がけ状態が海水浴場の至るところに見受けられました。また、片瀬漁港の建設進行と時を同じくして砂州の移動が起こり、今、東浜に江ノ島に届く砂州が形成されています。  このような状況を招いたのは、国や行政の政策などで人工的な構造物をつくったことによって海流が変化し、波の打ち寄せ方が変わることなどが大きな要因との指摘がありますが、知事の見解を伺います。  片瀬西浜では、砂浜の侵食対策として、しゅんせつした砂で養浜が行われていますが、せっかくまかれた砂が波に持っていかれ、大きな段差ができてしまっています。神奈川県湘南なぎさ事務所が出した海岸環境整備工事の報告書では、養浜する砂は泥分の多い細かい砂、いわゆるシルト含有量2%程度のものが最良としています。しかし、片瀬西浜の養浜に使用されている砂は、シルト含有量が多いため、安定せずにまた流されているのではないかと専門家は指摘しています。品質を向上させ、シルト含有量を減らした砂で養浜を行うよう指導すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  侵食や堆砂などから海岸を保全するために、神奈川県は、昨年5月に、相模灘沿岸海岸保全基本計画を策定し、国や市町村とも連携して、侵食対策を行おうとしています。しかし、この基本計画では、依然として海岸保全施設の整備を行おうとしています。また、相模湾沿岸域再生技術検討委員会では、沖合いの砂を養浜へ有効活用する検討などを行っています。これではますますなぎさの環境は悪化してしまうのではないでしょうか。今、行うべきことは、これまで行ってきた対策をしっかりと検証するため、県が建設したヘッドランド区域や各漁港周辺の堆砂、汀線の後退、侵食、潮流の変化などの状況と原因を構造物の影響も含めて調査し、公表すべきと考えますが、知事の見解を求めます。また、調査結果に基づき、国・県・市と連携し、環境保護団体等の意見も反映させた抜本的な解決を行うべきと考えますが、あわせて知事の見解を伺います。  最後は、基地問題についてお聞きします。  まず、米陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間への移転問題についてです。  座間市や相模原市の議会、行政、市民が一体となっての反対運動は、座間市で6万人、相模原市で21万人の反対署名を関係省庁等に提出し、8月には、ラムズフェルド国防長官やライス国務長官、第1軍団のあるワシントン州フォートルイス基地に隣接するタコマ市の市長などへの協力要請の書簡を送付するなど、大きく広がっています。  この問題の日米間協議や具体的な方向性について、今月17日には、訪米した外務大臣が10月中に中間報告をまとめること、そのために日米協議を加速することで、国務長官と合意をしたと報道されています。また、報道によれば、ブッシュ大統領が11月中旬にも来日を計画しており、日本政府は大統領の来日までに決着を図るとしています。  そして、防衛庁長官は記者会見で、10月中には何とか具体的な基地名を書いた中間報告をつくっていきたいと述べ、10月中旬には日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開く方向です。さらに、報道された中間報告の骨子案では、第1軍団司令部の指揮権を日米安保条約第6条の極東の範囲から逸脱しないことを明確にした上で移転を受け入れようとしています。  また、防衛庁が第1軍団司令部のキャンプ座間への移転を前提として、新たに編成する陸上自衛隊中央即応集団司令部をキャンプ座間に設置する方向との報道もあります。事態は急を要します。座間市の米陸軍第1軍団司令部の移転に反対する連絡協議会は、再編協議が本格化してくる今こそ、市民が一丸となって反対の声を上げるべきと、市長を先頭に、駅頭に立って市民に協力を訴えるビラを配布しました。今必要なのは、政府が日米交渉を急いでいるときだからこそ、地元の自治体や市民の意向である、反対を県としても明確にすることです。  知事は本定例会の提案説明で、「基地の整理・縮小・返還を促進するため、県の役割をしっかりと果たしていきたい。」と述べ、「地元自治体の意向を最大限尊重」とも述べています。それは、知事も第1軍団司令部のキャンプ座間への移転に反対であると認識してよろしいのでしょうか。具体的に、地元は反対なのだから、知事としても反対であると、県民に向かって表明すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、厚木基地の爆音問題です。  防衛施設庁が、住宅防音工事対象区域の線引きを見直し、基地西側で騒音が減少しているとして、海老名市や綾瀬市、座間市の一部を削減する「横浜防衛施設局案」なるものを提示しましたが、実態とかけ離れているとして地元から縮小反対の意見が上がっており、6月には3市長が知事への協力要請にも訪れています。  また、神奈川県が独自の調査を実施した結果、騒音が減少しているとされた西側地域では逆に増加している傾向も明らかになり、知事が会長をしている県市協としても、地域の実情を的確に踏まえた見直し案を横浜防衛施設局に要望しています。  防音工事問題では、工事対象区域の縮小ではなく、第1種区域指定の基準であるW値、いわゆる、うるささ指数を現行の75以上から70以上に緩和して、対象区域を拡大することこそが爆音被害に苦しむ地元住民や自治体の要望であり、県市協が一貫して求めていることです。  そこで、知事に伺います。  新たな区域指定についての知事への意見照会に対しては、「爆音直下の地元自治体の意見を伺って回答する」と本議会で答弁されていますが、地元自治体は明確に縮小反対の意見を表明しています。県や市の独自調査や地元自治体の意向を踏まえて、縮小案には同意すべきではないと考えますが、知事の所見を伺いまして、第1回目の私の質問を終わります。  ありがとうございました。〔拍 手〕〔知事(松沢成文君)発言の許可を求む〕 ○副議長(田村政晴君) 松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) 鈴木議員のご質問に順次お答えをいたします。  初めに、水源環境保全・再生施策について、三つのお尋ねがございました。  まず、水源の森林づくり事業の、2004年、平成16年の見直しは、拡充ではなく縮小ではないかとのご質問であります。  平成16年度に人工林の現況調査がすべて終了したことなどから、水源の森林づくり事業の全体計画を見直しました。この見直しでは、確保後の最初の整備をスピードアップすることや、ダム上流域の重要な私有林の公有地化の拡大等を盛り込み、事業内容では拡充が図られたものと思っております。  一方、全体事業費は、確保面積が1,900ヘクタール少なくなったことや、近年の地価や整備費の低下もあり、従前より3割程度減少しております。しかし、平成34年度までに2万7,000ヘクタールの私有林を確保するには、毎年の確保量を現在の1.4倍にするなど、今後、各年度の事業費は、平成17年度に比べ、大幅に増加させていく必要があるところでございます。  次に、水源の森林づくり事業に対する新たな財源の活用についてのお尋ねをいただきました。  水源の森林づくり事業につきましては、2月定例会の時点で、事業に要する財源の全額について、新たな財源を充てることにより推進することとしておりましたが、議会での貴重なご意見を踏まえまして、既存財源の活用も考慮すべきであるという認識を持ったところであります。  その後、6月定例会でお示ししました、かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画案では、水源環境の保全・再生の事業を絞り込むとともに、それらの財源のあり方についても整理させていただきました。その中で、水源の森林づくり事業については、整備のスピードアップや公有地化を拡大し、私有林の公的管理・支援をより一層推進するなど、事業の拡充部分に限定して新たな財源を活用し、これまで実施してきた部分については、引き続き既存財源で対応することとさせていただいたところであります。  次に、県外上流域への施策と新たな県民負担についてのお尋ねがありました。  相模川水系流域環境共同調査、これは山梨県内の森林の状況や、桂川・相模川流域の水質汚濁負荷の発生状況等について調査を行うものであります。この調査結果を踏まえて、具体的な県外上流域対策の事業内容や手法について、山梨県を初め、関係自治体と協議しながら検討した上で、その結果を次の5か年計画に反映してまいりたいと考えております。  また、現在の計画案に位置づけた、他の事業についても、計画見直しの段階で、それぞれの事業の成果等を検証し、そのままの形で継続するのか、あるいは手法や内容を改めるのかなど、十分精査することになります。いずれにいたしましても、5年後の計画の見直しに伴う、事業内容や県民負担のあり方につきましては、県民のご意見や議会のご審議をいただきながら慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、アスベスト対策について、何点かお尋ねがございました。  まず初めに、県立学校の体育館の天井などで使用されておりますアスベストフェルトについてですが、教育委員会では、これまでに定期的に学校職員及び技術職員によって、劣化状況の目視調査を丁寧に行ってまいりました。その上で、必要に応じて飛散調査も実施し、劣化の進行が確認された場合には、必要な飛散防止対策を講じてきたと承知しております。現在もアスベストフェルトの存在が確認されております学校について、安全確認を目的として飛散調査を実施中と聞いております。  また、現在、アスベストフェルトも含めて、県有施設アスベスト使用実態調査を実施中でございますので、今後この実態調査の結果や飛散調査の結果をもとに、劣化・損傷の状況などを確認しながら、適切な対応を検討してまいりたいと考えております。  次に、公共工事におけるアスベスト建材の使用についてのお尋ねがありました。  現在、県が発注する公共工事については、労働安全衛生法の趣旨に基づき、アスベスト含有量が1%を超える建材は使用しておりません。アスベスト製品の製造及び使用等に関する規制については、全国一律に対応すべき事項であり、基本的には国の役割であると考えております。県といたしましては、アスベストによる県民不安が拡大しないよう鋭意取り組んでまいります。  次に、病院等のアスベスト使用実態調査に関して、その調査経費や撤去経費を支援すべきとのお尋ねでございます。  この調査は、病院、社会福祉施設、私立学校の利用者の安全を確保するため、国の依頼に基づき、各施設での吹きつけアスベスト等の使用実態を把握し、損傷・劣化した吹きつけアスベスト等があった場合、施設管理者に除去等の適切な措置を講ずるよう要請するものであります。調査に当たっては、分析調査が必要になる場面もありますし、また損傷・劣化したアスベスト等が存在した場合、除去等の措置に多額の費用が生じる可能性がございます。  本来、アスベスト対策に関しては、国の責任のもと、全国的・統一的な措置が図られるべきと考えますので、県としては、これらの費用について国が財政的支援を講ずるよう、去る9月8日に、横浜市長、川崎市長と連名で国に要望を行ったところであります。  次に、解体事業者へのアスベスト対策の啓発や指導等についてのお尋ねがありました。  現在、建設業法による建設業許可や建設リサイクル法による解体事業者の登録の申請窓口及び各土木事務所などに、アスベストに関する適正な取り扱いについて解説したパンフレットを置いて、解体事業者への情報提供を行っているところでございます。また、今後県が作成する建築物チェックマニュアル等につきましては、建築物の除却の届け出が出される、県や市の窓口でも配布し、アスベスト対策の啓発を行ってまいりたいと考えております。なお、解体事業者への指導や技術支援のための体制につきましては、業務の推移を見ながら必要に応じて対応してまいりたいと考えております。  次に、エコループプロジェクトについて、今回の山北町長の断念表明を機に、株式会社エコループセンターと同プロジェクトへの支援をやめるべきではないかとのお尋ねであります。  エコループプロジェクトは、幅広く環境に配慮した廃棄物の総合処理システムの構築を目指しており、このプロジェクトがごみ処理広域化を進める上で活用できるかどうかを見きわめるため、県と市町村が共同して民間活力活用検討会を設置するなど、市町村・ブロックの取り組みを支援してきたところであります。  今回の事態を受け、会社側が今後どのように対応されるかは現時点では伺っておりませんし、また各ブロックの受けとめ方もさまざまと考えております。したがいまして、県といたしましては、まずは事業主体である株式会社エコループセンターの今後の対応を確認するとともに、市町村・ブロックの意見を伺った上で、改めて、ごみ処理広域化の取り組みが促進されるよう今後の対応を考えてまいりたいと存じます。  次に、次世代育成施策についてのご質問をいただきました。  まず、放課後児童健全育成事業の実施についてのお尋ねであります。  各市町村が、いわゆる放課後児童クラブを設置して、適切な遊びや生活の場をつくることは、子供たちにも保護者にとっても意義のあることであり、県としても、1小学校区に1クラブ設置を目標として支援してきているところであります。平成17年5月現在、この目標の達成率は86.6%となっております。また、共働き家庭がふえる中、放課後児童クラブを利用する児童数も年々増加してきております。  現在、県としては、全小学校区に設置していくことを優先し、放課後児童クラブを利用している児童のうち、約9割を占める小学3年生までを補助対象の基本としているところであります。今回、事業実施要綱に、対象者の拡大が改めて記載されましたが、4年生以上の児童の中でも、支援の必要性が高いと思われる障害児等につきましては、市町村が円滑に事業を実施できるよう支援に努めております。  次に、少人数学級についてのお尋ねでございます。  学級編制につきましては、平成13年度にいわゆる標準法が改正され、1学級40人を標準としつつも、児童・生徒の実態を考慮して、特に必要があると認められる場合は、都道府県教育委員会の判断により、40人を下回る学級編制を行うことができることとなっております。  しかし、少人数学級の効果につきましては、さまざまな議論がございまして、国が平成13年度にスタートさせた第7次教職員定数改善計画においても、習熟度別授業やチームティーチングなど、少人数授業のための教員配置を行ったものの、1学級40人という標準の変更はされませんでした。また、40人を下回る学級編制を実施することにより、増加する人件費は国庫負担の対象とはならず、すべて都道府県が負担することとされており、本県の財政状況を考えますと、一律の少人数学級の実施には厳しいものがあると考えております。  そうしたことから、今後とも教育委員会には、学級編制基準は40人としつつも、標準法の定数の範囲内で、これまで進めてきた少人数教育に取り組み、より一層きめ細かな指導ができる体制をお願いしたいと考えております。  次に、私学助成等の拡充についてのご質問をいただきました。  本県におきましては、私立学校の運営に係る経費への助成である経常費補助や一定所得以下の保護者の学費負担を軽減する学費補助、また失業・倒産等により、家計が急変した場合に補助を行う学費緊急支援補助を行うなど、私学助成の充実に努めてきたところでございます。  お話の公私立高等学校設置者会議では、まずは学費負担の公平性を図る施策の充実が必要とのご意見をいただいており、施策の具体的な内容は今後詰めてまいりますが、公私立を問わず、経済的な課題等を抱えた生徒の受け入れ対策は、早急に取り組むべき課題であると認識しているところでございます。  また、経常費補助の見直しにつきましては、これまでも、私学助成制度運営協議会などで、私学関係者とも協議してまいりましたが、引き続き、こうした場を通じまして検討を重ねてまいりたいと考えております。  湘南のなぎさを守ることについて、3点のご質問をいただきました。  まず、海岸侵食についてでございます。  海岸侵食の原因は、以前行われていた河川の砂利採取やダムの堆砂などにより、土砂供給が減少したこと、海岸に設置した構造物により、沿岸流や砂の移動が変化したこと、相模湾特有の急峻な海底地形が影響していることなど、さまざまな要因が複合して生じたものと考えております。  次に、養浜する砂の品質についてのお尋ねもございました。  相模湾沿岸の養浜に使用する砂の品質につきましては、ごみや異物の混入がなく、また、濁りなど、直接影響を受ける漁業者などの意見を参考に、現地に適合した、シルト分が10%未満の砂としております。そこで、片瀬西浜の養浜に使用するしゅんせつ砂につきましても、シルト分をできるだけ少なくするよう洗浄・選別を行っております。なお、本県では、海岸の勾配等により、養浜する砂の粒径を考慮するとともに、シルト分を極力抑え、砂が流出しにくい養浜工法の実施に向け検討を進めているところでございます。  次に、侵食状況の調査の公表と抜本的な解決策についてお尋ねがございました。  まず、侵食状況の調査でありますが、本県では、これまで、相模湾沿岸の主な海岸で海岸線の変化の測量を毎年実施しております。平成14年3月には、昭和40年代と平成10年代を比較した、侵食・堆積の状況について、パンフレットにより紹介しているところであります。また、今年度から来年度にかけ、相模湾沿岸の砂の移動バランスなどを把握するため、地形や砂の動きを調査解析しておりますので、この結果は、まとまり次第公表したいと考えております。  次に、侵食の解決策でありますが、侵食の原因は、さまざまな要因が複合して生じておりますので、山、川、海の連続性をとらえた対策を念頭に置きながら、相模湾全体の砂の動きや砂の移動バランスをしっかりと把握し、それぞれの海岸に適した対策を図ることが大切と考えております。  今後とも海岸の侵食対策につきましては、地元住民や関係者の意見を十分に踏まえ、国・県・市町が連携して、積極的に推進してまいりたいと考えているところでございます。  最後に、基地問題についてのお尋ねをいただきました。  初めに、米陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間への移転に知事は反対であると認識してよいのか、また県民に向かって反対であると表明すべきではないのかとのお尋ねでございます。  米陸軍第1軍団司令部等の移転につきましては、さまざまな報道がなされる中、地元首長を初め、多くの方々が移転反対の活動をされていることは私も承知をしております。こうした中で、現時点では、国から県への情報提供がなく、内容が明らかでない段階で判断することは大変難しいと考えております。近く中間報告が出され、ある程度の具体的な基地の方向性も地元自治体に示されると言われておりますので、その際には、本県の基地の整理・縮小・返還の促進と地元の意向尊重を基本にして、県としてもしっかり対応してまいりたいと考えているところでございます。  最後に、厚木基地周辺の住宅防音工事区域の見直しについてでございます。  8月1日に示された横浜防衛施設局の案によりますと、厚木基地の南北方向には広がり、西側では縮小する傾向とされておりますので、縮小する地域もある一方で、多くの方々がようやく防音工事に対する助成を受けられることになるという面もございます。  委員お話しのとおり、県ではかねてから、関係市とともに、国に対して地域の実情を踏まえ、妥当性、公平性のある見直し案とするよう求めてまいりました。近々、国から県への意見照会が予定されておりますので、本県といたしましては、関係市の意見をよく伺った上で、県としての回答をまとめてまいりたいと考えております。  答弁は以上でございます。〔鈴木とも子君発言の許可を求む〕 ○副議長(田村政晴君) 鈴木とも子君。 ◆鈴木とも子君 再質問をさせていただきます。  まず、水源環境保全・再生施策についてですけれども、今のご答弁では、見直しをしたその後で拡充をした部分を新税に充てるというような内容だったかと思うんですけれども、2004年11月、事業の見直しをしまして、それはスピードアップですとか、公有地化の確保、これを拡充したわけですね。それも1,001億円から695億円に縮小して、これで事業ができるというふうになったと思うんですね。それでは事業費は新税を充てる分がふえるんでしょうか。そして、2万7,000ヘクタール、これは1.4倍と言われましたけれども、事業そのものも、この事業の見直しのときに既に2万7,000ヘクタールというふうになっているわけですから、新税を充てるということ自体が全く成り立たない、既存財源でやるというならば、この新税は全く成り立っていないというふうに思うんですけれども、再度ご答弁をお願いいたします。  それともう一つ、既存財源でということで、この事業は絞り込んだ内容だというふうにおっしゃっていました。41億円ということで提案されているわけですけれども、調査によってはこの金額が大きくなるのかどうなのかということを私は伺っているわけで、これがそのときになってみないとわからない、5年後の見直しのときに明らかになるというのでは、これは小さく新税を充てて、それで拡充していくんだという方向になるのではないかと思うんですけれども、改めてお伺いいたします。  次に、アスベスト対策ですけれども、これは丁寧に飛散調査をされていると、定期的にやられているというお話でしたけれども、今お見せしたパネルで、これは明らかに劣化しているというふうに私は思うのですけれども、これで飛散は調査をしないとわからないというふうなことなのでしょうか。目視でも明らかに劣化の状況が確認される、こういう中身について-これは一つだけですけれども、ほかにも行って見てまいりました。確かにはげ落ちているという内容があるにもかかわらず、これは飛散調査が終わらないとやらないということでは、子供たちはアスベストがどういうものかということも知らない、そこに使われているということも知らない。体育施設ですから、ボールなどを床にたたきつけて飛ばす、こういう遊びもやっているというふうなことを聞いていまして、毎日通う学校施設で、こういう状況を放置していてよいものかというふうに思うのですが、再度知事のご答弁をお願いいたします。  続いて、学童保育ですけれども、これまで6年生まで対象にして、神奈川県は助成してきているわけですね。それを国が改定によって6年生までとしたのに対して、神奈川県は3年生までにしたというような内容に、今のお答えではなるんですけれども、これは大きく子育て支援施策の後退ではないかと思うんですけれども、この辺も改めてお伺いをしておきます。  それと少人数学級です。確かに今、人件費を県が持たなければならないというふうな国の状況になっていますけれども、私が福島に行ってきたときも、これは知事の決断が大きいというふうに改めて思ったんですね。これは知事が決断をして、ここに財政を使おうと、子供たちのためにということが一番大きな決断になるわけですので、この辺は財政をきちんと確保してでも、子供たちにぜひお金を使っていただきたいと思いますし、これが国も動かしていくものになるというふうに思うんですけれども、改めてお聞きをしておきます。  それから、私学助成ですけれども、公私間格差というのは、私学を選択しようにも初年度の納付金というのが本当に高いわけです。入学のときの負担というのは、入学金や授業料だけではありませんし、制服ですとか、体操着ですとか、かばんですとか、そこに行くためには大変な費用がかかるわけです。入学時に私学を選択しようというときに応援をするということでは、東京などで行っている入学支度金の制度を創設するですとか、学費補助を拡充するということなども、私学に行ける子供たちがふえていくということにつながると思うんですね。この辺を施策の中にきちっと位置づけていっていただきたいと思うのですが、改めてお伺いをしておきます。  湘南のなぎさを守ることについてですけれども、砂のシルト含有量については、その認識がおありのようですので、ぜひ粒径の大きい砂ということで、品質のよいものをなぎさの方に養浜してほしいというふうに思います。ただ、先ほどさまざまな要因が重なり合ってこういう現象が起きているということには間違いありませんけれども、ただ、大きな要因は…… ○副議長(田村政晴君) 鈴木とも子君に申し上げます。  既に申し合わせの時間を超えておりますので、簡潔にお願いします。 ◆鈴木とも子君 この辺を改めて検証していただきたいというふうに思います。  以上、ご答弁をお願いいたします。〔知事(松沢成文君)発言の許可を求む〕 ○副議長(田村政晴君) 松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) 鈴木議員の再質問にお答えをいたします。  まず、水源の森林づくり事業費を新税の対象にすることは理屈が通らないのではないかということですが、改めて申し上げますが、昨年行った水源の森林づくり事業の見直しでは、計画期間全体の確保目標面積の縮小を図る中で、まず第1に今後必要となる整備量は年々増加させることに加えて、整備のスピードアップと公有地化の拡大の3点の拡充を見込んでおります。  一方、6月定例会にお示しした、かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画では、議会のご意見も踏まえて、新規事業以外の、継続・拡充する事業の取り扱いというのを明確にさせていただきました。ここでは、個々の事業内容で整理するのではなく、平成17年度当初予算計上額までは既存財源で対応して、これを超える部分は、拡充として新たな財源で対応する、このように説明させていただいたところであります。  したがいまして、水源の森林づくり事業については、整備のスピードアップと公有地化の拡大だけではなく、平成17年度当初予算措置の水準を超える確保量と整備量の増加についても拡充として取り扱い、新たな財源の対象とするものであります。  それから、アスベストについて、写真を見せていただきましたが、かなり劣化状況があるということです。ただ、先ほど申し上げましたように、県では今実態調査をやっておりまして、その中で飛散状況の調査もやっております。まだ全部の数字は出ていませんが、この飛散値も基準以内であって、今のところ緊急にやるというよりも、まず実態調査を先行させて、その中でしっかりと今後の対応をとっていくということが公正なやり方、公平なやり方だというふうに考えております。  それと、学童保育については、ちょっと私、把握ができなかったので、担当の部長からお答えさせます。  それから、少人数学級につきましては、少人数学級は知事の決断でできるのではないかということでありますが、福島県と神奈川県とは、さまざま、財政状況も教育状況も異なります。神奈川では、一挙にすべて35人学級に対応することは大変厳しい、財政的にも大変厳しい状況でありますので、それをチームティーチングとか、そうしたやり方を通して少人数学級に近い、きめ細かな対応をする授業をやっていく、こういう方向で進めていきたいというふうに思っております。  それから、私学助成でありますが、ご指摘のとおり、私学の経常費補助に加えて、生徒や父母が高校選択が自由にできない、多くは経済的な理由によってそれが厳しくなっているという状況を私も認識をしておりますので、今後、来年度の予算に向けては、学費補助や、あるいは奨学金の充実というのもしっかりと図っていかなければならないと考えているところでございます。  最後に、なぎさの問題でありますけれども、今、養浜工法は、さまざま、現場でも検討しておりまして、砂の粒径の大きさ等々も把握しながら、効率的で効果的な養浜というのはどういうものがあるのかというのをよく検討した上でやっていきたいというふうに考えているところでございます。  詳細について、私からの答弁に足りないところがありましたら、関係の部局長から答弁を行います。  以上です。〔保健福祉部長(大崎逸朗君)発言の許可を求む〕 ○副議長(田村政晴君) 大崎保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(大崎逸朗君) 放課後児童健全育成事業についてお答えいたします。  この3月までは、国の要綱に沿いまして、県ではおおむね10歳未満の児童を対象にこの事業を行ってまいりました。この3月31日に、国の方の要綱に関しての通知がございまして、これまでの「小学校1年から3年に就学している児童であり、その他健全育成上、指導を要する児童」というものに加えて、「小学校4年生以上、あるいは盲・聾・養護学校の小学校の児童」ということが加えられたことに合わせまして、先ほど知事から答弁させていただきましたように、障害児の方を加えたものでございます。  そういうことで、これまでも基本的にはおおむね10歳未満の児童を対象としていたということでございますので、ご理解をいただきたいと存じます。〔鈴木とも子君発言の許可を求む〕 ○副議長(田村政晴君) 鈴木とも子君に申し上げます。  質問終結の発言のみとしてください。 ◆鈴木とも子君 これで私の一般質問を終わります。 △《本会議録-平成17年9定-20050922-026021-質問・答弁-福田泰子議員-一般質問①学校と県警との情報連携②情報公開について③県内水道事業者の効率化・経営統合について④神奈川県都市農業推進条例》 〔福田泰子君発言の許可を求む〕 ○副議長(田村政晴君) 福田泰子君。〔福田泰子君登壇〕(拍手)〔副議長退席、議長着席〕 ◆福田泰子君 議長のお許しをいただきましたので、私は神奈川ネットワーク運動県議団の一員として、県政の諸課題の幾つかについて質問させていただきます。  第1に、学校と警察の情報連携強化への取り組みについてお尋ねいたします。  この課題は、平成14年5月27日に、警察庁生活安全局少年課長から各都道府県警察本部長へ、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長から各都道府県教育委員会指導事務主管課長へ、「学校と警察との連携の強化による非行防止対策の推進について」という通知があったことから始まったことと承知しています。  神奈川県では、県警と教育委員会の間で情報連携にかかわる協定の締結を予定し、その協議が続いていたことが、昨年12月定例会に提案された、神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例の審議の過程で、神奈川ネットワーク運動の県議の質問から明らかになりました。  その際、私どもは、県警と教育委員会がこの協議を行ってきた打ち合わせ、または会議の情報や記録を公開するよう求めましたが、県警からは、「警察と学校との協定につきましては、平成14年5月に、学校との連携を強化せよとの警察庁通達があり、当時の少年課で検討してまいりましたが、近年における非行少年は中・高校生が4人に3人であるといった状況などから、平成16年4月ごろ、警察から県教育委員会等に協定締結の打診をしております。その後、県教育委員会等で検討をしていただいている状況です」という文書が、また教育委員会からは、協定書にかかわる教育委員会と県警本部との打ち合わせ状況として、第1回平成16年2月12日から第6回平成16年10月25日の各回の日にちと、1行ほどの確認事項が示されただけで、県警と教育委員会との間でどのようなやりとりがあり、協定の必要性の合意に至ったのか、その際に児童・生徒の人権への配慮という最大の解決すべき課題にどのように対処しようとしたのか等々、肝心な問題は県民の知るところとならず、あまつさえ打ち合わせの文書そのものも、県警、教育委員会双方でつくっていない、あるいは残していないことが明らかになりました。また、その間、議会にも経過について一切報告をされておりません。そこで、改めて事実関係から確認させていただきたいと考えます。  まず、この打ち合わせ・会議の経過や内容が記録されていないことについてどのような見解をお持ちかお伺いします。また、「学校と県警の情報連携」については、だれが発議し、双方でどのような協議の過程があり、どのような内容で合意がされていったのか、教育長と県警本部長それぞれに回答をいただきたいと思います。  さて、教育委員会事務局で何がしかの結果を得たのでしょう、この問題は昨年12月20日に開催された教育委員会に報告されたと聞いております。教育委員会では事務方から口頭説明のみ、資料はなく、「個人情報保護審議会の諮問結果を待って」という説明があったとのことです。しかしながら、この部分については、教育委員会協議会という、非公開、秘密会の場であったとのことで、当然議事録も残っておりません。事務方ではこの問題をよっぽど公開したくなかったととられても仕方のない状況だと考えられます。  教育委員会制度は、私が申し述べるまでもなく、市民(住民)による意思決定、レイマンコントロールをその特性としています。すなわち、市民(住民)が、専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する、いわゆるレイマンコントロールの仕組みにより、専門家の判断のみによらない、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現することを目的として設置されていることに、私は大きな期待と評価をしています。  今回の、学校と県警の連携強化については、多分多様な市民意見が予測される課題だろうと推測されるがゆえに、教育委員会でどのような議論がされたのか、市民には知る権利があるだろうと考えます。ところが、その情報は先ほど述べたように公開されておりません。  そこで、教育委員会委員長に、教育委員会委員長名で個人情報保護審議会へ諮問した立場から、またレイマンコントロールの立場からお答えいただきたいと考えます。  教育委員会では、この問題についてどのような討議があったのでしょうか。その必要性について、教育委員会では合意したのか、また、個人情報保護審議会への諮問について、教育委員会で条件を付するような議論にはならなかったのか、教育委員会委員長にお伺いをいたします。  さて、神奈川県個人情報保護条例の第8条「本人外収集」、また第9条「目的外提供」にかかわる教育委員会からの諮問を受けた個人情報保護審議会では、何回かの議論を経ましたが、継続審議が続き、教育委員会ではその議論の経過から、学校から警察に対して個人情報を提供するに当たっては、その判断に明確な基準を設けることは難しいことから、県警と教育委員会の双方向の連携を取り下げ、県警から教育委員会への片方向の連携にとどめる諮問を提出し直しました。この諮問が、9月8日の審議会において、4項目の条件を付し、また審議会初という多数決により、答申が出されたところです。  しかし、その翌日、県警がマスコミに対して説明会を開き、その結果、県警は、片方向の制度のままでは、警察の持つ情報を県立学校に提供することは困難と報道されました。一連の報道は、教育委員会と県警との認識に隔たりがあり、意思疎通が欠けていることをはしなくも露呈しています。また、その報道にある、教育委員会側の、「県警と十分に話し合い、片方向制度で互いに協力していくことで確認済み」とした協議の文書の提出も求めましたが、存在していないとのことでした。  神奈川ネットワーク運動県議団は、この協定は、教育の現場の信頼関係を崩し、子供の権利条約が定める成長・発展の権利を阻害するものと考え、知事及び県警本部長、教育長に制度導入をしないよう要望するとともに、市民とのフォーラムを開催してきました。その場では、児童・生徒は、未熟でも成長していく存在で、失敗や過ちは教育によって克服し、人格形成していくもの、学校を地域に開くことで安全な場にしていくことが最善の方法というような意見や提言が多数出されました。このフォーラムに、私たちは、県警と教育委員会からも参加していただき、制度導入が必要であることについて説明を求め、また、多様な市民との意見交換をしていただきたいと思いましたが、出席いただけず、大変残念な思いをいたしました。  県警と教育委員会が片方向制度で協力することを確認したという後、4月18日付の教育委員会の懸案事項説明資料では、「今後、双方向の制度への移行も検討していく」とありますが、7月14日開催された個人情報保護審議会では、委員からの質問に、子供教育支援課が、「学校から警察への情報提供に関する諮問は考えていない」と回答しており、教育委員会の方針は、何が真実なのか全く不明です。  県行政の事務執行に当たっては、組織そのものへの信頼があることが大前提です。そして、その信頼は公開性や透明性の確保なくしては成り立ちません。これは県警や教育委員会でももちろんのことと思います。特に本来はそうあってはならないのですが、残念ながら執行側と市民、あるいは児童・生徒との間に、強者と弱者という関係がたやすく築かれる関係性の中では、組織への信頼なくしては一つも前へ進めるわけにはいきません。  ところが、今回の、学校と県警との連携強化を検討する過程を見てきますと、市民への透明性や公開性どころか、県民代表の県議会への説明責任をも欠いたと言わざるを得ない状況は今まで述べてきたとおりです。  学校と県警との連携強化については、県民・市民、特に成長期の児童・生徒には、大変センシティブな課題であり、一たび対応を間違えば大きな人権侵害につながるおそれを抱く課題でもあります。ここは一度白紙に戻し、児童・生徒の非行防止や健全育成については、県警、教育委員会それぞれが、その役割分担、職務・責務の中で努力をすべきと考えますが、教育長及び県警本部長それぞれに見解をお伺いします。  第2の質問は、県の情報公開についてです。  行政情報の公開は、一つには税でつくられたものであること、二つには、政治と行政にお任せしておけば、経済成長を背景に、まちや生活や市民の課題がほぼ解決してきた時代から、市民的課題は多様複雑になり、公・税金、そして民・経済企業活動の領域のみでは解決が困難になってきている現状の日本の中で、市民が主体的にまちづくりを進めるために欠かせないと考えます。それらを背景に、情報公開法や情報公開条例が、市民の知る権利をうたって整備されてきました。  しかし、県議会議員として活動させていただき、はや2年半となりましたが、この間に、執行部局からのさまざまな提案を精査したり、確認していく作業の中で、神奈川県の情報の提供の仕方や公開性・透明性に多くの疑問を持ってきました。そして、ことし3月、神奈川県情報公開運営審議会から、県民との情報共有化を一層推進するための情報の公開・提供等の充実についての答申と報告書が提出されました。  その中にこのような一文があります。「情報公開や情報提供のあり方については、社会の変化や進展に対応する行政の取り組みに合わせて、前例や現状にとらわれることなく、常に見直しを行い、その改善に努める必要があります。また、すべての職員が制度発足時の情報公開に向けた意気込みと熱意をいま一度想起して見直しに取り組むことが重要であると考えます。」  私は、神奈川県は47都道府県に先駆けて情報公開を率先し、国の情報公開法制定の牽引役を果たしてきたことを大変高く評価をしていました。しかし、その現状は残念と言うしかありません。  そこで、情報公開について何点か質問させていただきます。  まず、行政文書作成のルールとそのチェック体制についてです。行政情報が公開されるためには、その前提として、行政文書が期限までにすべて作成されている必要があります。知事部局の行政文書については、「神奈川県行政文書管理規則」、「同管理規程」、「同管理規則の運用について」等で定められ、また附属機関については、「附属機関等の設置及び会議公開等運営に関する要綱」、「同要綱の運用」等で定められています。しかし、行政文書管理規則では、第6条で、軽易なものを除き、処理内容等も記録した行政文書を作成しなければならないとありますが、その「軽易なもの」の判断は各担当者の判断となっているのが実情です。  最近の行政文書公開請求に対する処理状況を見ると、公開拒否となったもののうち、ここ5カ年間の平均で、82.8%が「文書不存在」となっています。ルールはありながら、担当者の判断としていることから、実際の運用面で、全庁の統一がとれているかどうかが不明ですし、チェック体制や制度が整備されていないために、文書不存在が適正かどうかを確認できません。  先日、知事は情報公開運営審議会の答申を受け、情報の公開、提供等の充実に向けた改善方針を決定し、記者発表なさいました。今後、それらに基づき行政文書の作成や公開が前向きに運用されていくことを期待しますが、情報公開の大前提として、行政文書が正しく期限までに作成されていることを担保する、チェック制度の整備が必要と考えますが、所見を伺います。  ここ数年の情報公開請求件数を調べてみると、年度による増減はあるものの、確かに右肩上がりになっており、市民の情報公開についての関心は高まっていると考えられます。そして、それに比例するように情報公開審査会への不服申し立て件数も多くなっています。  こうした中、不服申し立てに対する情報公開審査会の答申は、その約50%が逆転答申、すなわち当局が「公開しない」としたことを、「公開すべき」としたものになっています。このことは、いまだ神奈川県の情報公開への取り組みが不十分であることをあらわしていると考えます。  また、不服申し立ての制度そのものにも、改善の余地があると思います。私は、昨年、議案審査のために要求した資料が提供されなかったことを受け、県庁内の会議録の公開を請求しました。しかし、公開が拒否され、不服申し立てを行いました。しかし、審査会への口頭の申し入れが、平日の日中であり、仕事を持っている市民にとっては利用しづらいものです。また、私の場合、昨年9月27日に公開請求、10月13日に不服申し立てを行い、ことし5月23日には、「公開すべき」という審査会の逆転答申を受けているにもかかわらず、逆転答申から知事決定まで平均1カ月から1カ月半とお聞きしているところ、きょう現在、知事決定をいただいておらず、4カ月放置されたまま、何らの経過説明もありません。  不服申し立ての制度自体も、もう少し市民にとって利用しやすいものに改善していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。  さて、県の情報公開・情報提供に関連し、具体的な事例を提言させていただきたいのです。突然降ってわいたこの夏の政治ショーが終わりました。小選挙区制度のもとで行われた4回目の衆議院選挙は、この神奈川県では小選挙区における自民党の獲得243万5,656票に対し、民主党156万4,457票。しかし議席は16対ゼロ。票数と議席が比例しない、いわゆる死に票が多く出るのが小選挙区制度の特徴です。この小選挙区制度の導入は政治資金制度の改革と不可分のものです。小選挙区制度になれば、選挙区で1人しか当選者が出ないから、政党同士の政策で競い合う選挙になる、このことがお金のかからない選挙・政治を実現させることができるとの理由で、企業・団体献金の廃止、政党助成金の新設とともに、小選挙区制度が導入され、死に票が多く出ることのデメリットよりも、政治とお金へ不信を取り除き、市民の政治への信頼をかちとることを選んだはずでした。  しかし、選挙制度のデメリットばかりが目立ち、政党にのみ企業・団体献金が温存されているなど、政治とお金に対する改革が一向に進まないのは本当に残念としか言いようがありません。しかし、市民は、みずから、今ある制度を駆使して、政治とお金の実態を調査する権利を得ています。政治資金規正法では、この法の目的を、「この法律は、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われようとするために、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする」としています。市民は不断の監視と批判をしなければなりません。  ここで、政治資金の調査に市民がアクセスしやすい制度が望まれます。総務省では、ホームページにより、2カ年分の総務省所管の政治団体の政治資金の公開が、いながらに検索できます。また、総務省の政治資金課収支公開室に行けば、保存期間3カ年分の政治団体すべての収支報告を、専用の部屋で、市民みずから棚から引き出して閲覧が可能になっています。  しかし、都道府県での収支公開は、神奈川県も含め、選挙管理委員会室に出向き、閲覧したい政治団体を特定して、その報告書を出してきてもらうことになっています。また、神奈川県公報に記載のある、政治資金収支の要旨は、収入の明細については記載がありますが、支出の寄附先の明細は掲載されていません。所管にかかわらず、政治団体同士の寄附に制限のない現状の中で、支出の明細も要旨に掲載することで、政治資金の流れを追いやすくなると考えます。実際に私は、総務省所管の政治団体への寄附収入を確かめるため、鹿児島の選挙管理委員会まで、この春に、出向いて調査をし、そこに支出がないことを確認してきました。  政治とお金の関係に透明性を求め、市民の政治への信頼を取り戻すことは、民主主義確立のための大きな課題です。制度改善には、予算措置を含め、さまざまな困難があることは承知をしていますが、神奈川県においても、総務省のような、市民が政治とお金の問題にアクセスしやすい制度の導入や、公報の要旨への支出の明細の掲載を急ぐべきと考えますが、選挙管理委員会書記長の見解を伺います。  第3の質問は、県内水道事業者の効率化、経営統合についてです。  今定例会に、前回継続審議となった、水源環境の保全・再生にかかわる新税の提案がされています。受益者負担としながら、県民税への超過課税を採用し、受益者の一つである法人には課税せず、県民税の均等割に課税をするため、所得の少ない納税者ほど負担が重いという増税となっています。この新税を県税として提案する理由として、一つには県内の水の受益を県内の水源で賄っていること、県内の水道事業が、水資源の開発から維持管理の時代に入ってきたこと等が挙げられています。私もそれらの認識は一致するところですし、水源環境の保全を進めることに何の異存もありません。しかし、これを県民税の増税で解決しようとすることには疑問があります。財源を既存事業の効率化やスリム化で捻出できないかをまず厳しく問うべきと考えるからです。  その一つが県内の水道事業者の効率化、ひいては経営統合によるスリム化です。  今、県内の4大水道事業者、県・横浜・川崎・横須賀が確保している水利権と、神奈川県内広域水道企業団の開発の供給量を見てみると、上水だけでも、日量、河水統制で89万4,000トン、総合開発で90万9,000トン、企業団の創設期酒匂川水系の配分量が156万4,300トンとなっており、合計日量336万7,300トンを確保できています。一方、4大水道事業者の1日最大給水量の実績は、平成15年度で、325万1,081トンであり、高度利用事業どころか、相模川水系建設事業も必要なかったという結果と考えられます。  宮ヶ瀬ダムには水源開発以外の役割もありますが、水道事業で負担すべき、宮ヶ瀬ダムと相模川水系1期の事業費約7,400億円の企業債の金利を含め、水道使用料で市民が負担している、このような結果はどうして生まれてしまったのでしょうか。  さまざまな行政計画の予測は、人口を予測の基本に置いていることは当然です。神奈川県の人口は、県の予測では2009年度をピークとしていますが、それでは県内各市町村の予測を積み上げると県の予測と同じになるかというと、そうはなりません。市町村ではその政策的未来をそれぞれに描きますから、「ここに工業団地が」、「ここには住宅団地が」としながら人口を推計するからと聞いています。  水道事業での水需要予測でも、同じことが言えたのではないでしょうか。各水道事業者の予測の甘さも含め、県内水道事業の連携や調整が不十分であったことが露呈した結果であると考えます。このような結果を、今後の施設更新や維持管理への反面教師とし、非効率を今後決して生じさせないためにも、各水道事業、特に県内の給水人口の約9割以上を占める、4大水道事業者は、早急にその経営効率化が必要であり、そのための連携強化を進めるべきであると考えます。  このような中、先日開催された県・横浜・川崎3首長懇談会において、松沢知事から、水道事業の広域化・効率化など、将来の水道事業のあり方を検討するための懇話会の設置が提案され、川崎・横浜両市長も懇話会設置については合意したと聞いています。  私は、昨年、平成16年9月定例会において、県内水道事業者の行政コストの効率化やスリム化を行い、多重行政によるむだを排するため、県内の水道事業者の未来に向けての統合と民営化について、文書質問を行いました。しかし、これに対する知事の回答は、各水道事業者の取り組みを見守ってまいりたいという消極的なものと受けとめていました。こうした経緯の中で、今回の、知事の3首長懇談会での提案を大変唐突なものと感じています。昨年の9月以降、これまでの間に、知事の認識を変えるような要因があったのか、今回の提案に至る経緯と趣旨について伺います。  各水道事業者には、事業者それぞれの沿革の中で水利権を確保してきた歴史の違い、水需給のアンバランス、耐震化等、過去の投資実績を反映した料金格差の問題などなど、統合に向けての調整課題が山積していることは、私も承知をしております。しかし、人口減少、そして1人当たりの水の使用量も減少していく中で、各水道事業者が、それぞれに経営の困難な状況をそれぞれの使用者に負担させていく、今までの手法をそのまま継承していくことが、決して市民の利益にならないことは明らかです。  以前、岡崎前知事は、神奈川県内広域水道企業団の事業であった相模川水系2期事業について、最終的には企業団が決すべきものとしながらも、県内の水需要予測を取りまとめ、2期事業の休止について、その政策的リーダーシップを発揮されたことを私は高く評価しています。今回の知事の提案についても、懇話会設置については合意できたものの、広域化を前提とした議論には、両市長とも否定的であったとも聞いています。  市民の立場から、広域行政の長としての知事の政策的リーダーシップに期待するところが大変大きい課題であると考えています。県内水道事業、特に広域水道企業団を含めた4大水道事業者の経営統合について、知事の見解を伺います。  最後に、新しく、神奈川県都市農業推進条例の制定が提案されていることに関して質問いたします。  これまでの間に、かながわ農業活性化指針を策定し、神奈川の農業の振興に関する検討委員会での議論を経て、今回の提案になったと承知をしております。農の持つ多面的な役割については、私も大きな期待を寄せています。  例えば、今、水源地域の再生・保全の課題が県内で大きな議論になっていますが、山林だけでなく都市部の耕作地も水の涵養機能を持っています。台風や大雨で瞬く間に都市河川がはんらんする状況を最近目の当たりにするたびに、コンクリートジャングルと化した都会で、降る雨が下水道のみに流れ込み、河川の水位を短時間で上げてしまうことを食いとめるためにも、里山の保全や都市の中の耕作地の必要性を最近実感しているのは、私だけではないと思います。  そのような意味でも、神奈川県内の都市農業を推進していくことについては、重要なことと認識しており、この条例が、いかに、理念だけで終わらずに、実効性を持たせることができるかが今後の大きな課題と考えています。今回の条例化に当たり、事前に多くの団体に意見募集を行ったとお聞きしました。県主催で農業団体へ30回の説明会を、また、団体主催の会合にも24回出席して意見を聞いたとのことです。また、多くの団体に資料を送付したり、広報も行ってきたようです。確かに、生産者にこの条例の持つ意味をご理解いただき、今後も県の農業生産にかかわっていただくことは大切なことと考えます。しかし、農産物も商品であり、市場経済の枠組みの中で、需要があって初めて供給が成立することは間違いありません。  食のグローバル化が叫ばれて久しくなります。スーパーに行けば、「なぜブロッコリーがカリフォルニアから来てこんなに青々としているのだろうか」とか、「なぜ台湾の絹さやは同じ価格でこんなにたくさん買えるのだろうか」という疑問にもなれてしまいました。地場野菜は、価格対抗力を持たないことを前提に、対策を立てることが、今必要であると考えています。  その側面から申し上げれば、都市農業の推進は、消費の側への合意をいかに高めるかが成功へのかぎとなるのではないでしょうか。その意味で、今回の条例提案までに消費の側の意見を聴取することについては、大変弱かったと言わざるを得ず、残念なことです。特に、地産地消を推進するためには、神奈川県産物を神奈川県内の消費者に、手にとってもらい、買ってもらう具体的な対策が必要であろうと考えます。  一つには、農産物や生産者と、消費者をつなぐ場の設定も必要であろうと考えます。また、神奈川県産の農産物の優位性を確保するために、条例にもうたった「安全・安心な食料等の供給」という観点から、農薬や化学肥料等の問題だけではなく、遺伝子組み換え種子が生態系に与える打撃について研究者からの指摘もあり、今幾つかの道・県で検討されている、遺伝子組み換え作物の植えつけ等に関する問題にも具体的な対策をとっていくこと等により、県内農産物の優位性を高める工夫が必要と考えます。  そこで、今後、神奈川県産農産物の優位性を高める対策について、安全・安心の基準をも含め、どのように考えているのか、お伺いします。今後、この条例が制定されると、条例にもあるように、知事は総合的かつ長期的な目標及び施策の方向等を定めた指針を策定することになっていますが、指針策定のチャートと推進体制はどのように考えていらっしゃるのでしょうか、お伺いをします。  これで私の第1回目の質問を終わります。〔知事(松沢成文君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 松沢知事。〔知事(松沢成文君)登壇〕 ◎知事(松沢成文君) 福田議員のご質問に順次お答えをいたします。  まず、情報公開に関連してお尋ねをいただきました。行政文書作成のチェック体制についてのお尋ねであります。  行政文書の作成につきましては、「行政文書管理規則」及び「同規則の運用について」に定めております趣旨が徹底されるように、所属ごとに文書事務主任を置き、行政文書事務の適正を図っているところであります。また、各所属を対象として、毎年行政文書事務の調査を実施するなどして、行政文書の受領、作成及び保存等の各項目について、各所属で点検を行い、改善点を抽出するなど、適正な事務処理が行われるようチェックを行っております。  行政の透明性を高め、開かれた県政をさらに推進していくためには、県民との情報の共有化が何よりも大切なものであり、そのため神奈川県情報公開運営審議会の答申を受け、情報の公開・提供等の充実に向けた改善方針を本年9月1日付で施行いたしました。  この改善方針では、公開範囲の拡大と情報提供の充実にさらに取り組むこととし、あわせて情報内容の充実にも努め、行政文書の作成に一層的確に取り組むこととしております。具体的には、現在口頭で処理している情報について、さらに文書作成が必要なものはないか、県民の利益や行政の効率性の観点から検討を行うこととしております。  そこで、この改善方針の趣旨も踏まえて、行政文書事務の調査を充実させるなど、より一層適正に行政文書が作成されるよう徹底してまいりたいと考えております。  次に、本県の情報公開に関して、不服申し立ての制度自体も、市民にとって利用しやすいものに改善していくべきだとのお尋ねがございました。  ご指摘のとおり、実施機関の決定は一部変更を含めて、半数程度が審査会の答申によって変更されており、全国的にもほぼ同じような割合になっております。しかし、審査会の答申によるのではなく、実施機関の決定によって、初めから積極的に公開されるのが望ましいことは言うまでもありません。  そこで、このたび策定した、情報の公開・提供等の充実に向けた改善方針に基づきまして、職員の意識改革を図り、本県の情報公開をさらに徹底してまいります。現在も、非公開とする場合には、各課と情報公開課との間で、できるだけ公開する事前協議を行っておりますが、今後は改善方針に沿って、事前協議を強化し、非公開事由の厳格な解釈・運用を図ることにより、迅速な公開と公開範囲の拡大に努めてまいりたいと考えております。  お尋ねの不服申し立て制度についてでございますが、情報公開審査会を毎月3回開催し、迅速な審査に努めるとともに、不服申し立てについてご意見をお聞きする際も、申し立て人の都合によっては、日中以外の柔軟な対応も行っております。  また、審査会の答申後、決定までの期間は、他団体との調整など、さまざまな理由により時間を要するものもありますので、平均的には約1カ月半かかっております。しかし、答申が出された以上、不服申し立てに対する決定はできるだけ早く行わなければならないと考えております。そこで、今後は、決定までに時間を要しているものにつきましては、不服を申し立てられている方に処理状況を丁寧にご説明するとともに、迅速な事務処理を図り、速やかに決定してまいりたいと考えております。  次に、水道事業の効率化、経営統合についてのお尋ねがございました。  まず、県・横浜・川崎3首長懇談会において、将来の水道事業のあり方を議論していただく懇話会の設置を私が提案した経緯と趣旨でございます。  現在、県、横浜市、川崎市、横須賀市の4大水道事業者は、870万県民の約9割に当たる790万人に給水をしており、県民の重要なライフラインを守っている役割は非常に大きいと考えます。しかし、その事業の実態を見ますと、4大水道事業者が相模川水系や酒匂川水系を中心として、ほぼ同一の水源を利用し、また神奈川県内広域水道企業団に一元化された用水供給が、4大水道事業者の給水量の約5割を占める状況にありながら、水道料金にはかなりの格差があり、県民にはわかりにくいものとなっております。  さらに、最近の水需要の減少傾向が今後も続くとすれば、各水道事業者の経営に大きな影響が出てまいりますし、今後発生する、老朽化した水道管や浄水場などの施設の大量更新への対応も、中・長期的な経営課題となってまいります。このため、従来から、将来にわたって県民の皆様に安全で良質な水を安定的に供給していくためには、4大水道事業者と企業団が連携して課題に立ち向かうことが重要であると考えておりました。  そこで、広域化や効率化の観点から、ともに取り組める事業や改革できる分野について、学識経験者の方々にご議論をいただき、水道事業の将来像について、大所高所から話し合っていただきたいと考え、今月開催された3首長懇談会の席で、懇話会の設置を提案したところでございます。  次に、広域水道企業団を含めた4大水道事業者の経営統合についてのお尋ねがありました。  ただいま申し上げましたとおり、学識経験者の方々に、水道事業のあるべき将来像について、少し大きな議論をしていただきましたならば、その後、行政としてどのような対応、改革ができるのか、改めて議論をしてまいりたいと考えております。  しかし、経営統合となりますと、各水道事業者においても、事業の生い立ちが異なることに加え、個別に改革すべき課題や、また、広域水道企業団のあり方など、いろいろ解決しなければならない問題もございます。そこで、初めから経営統合ありきではなく、全く白紙の状態で、広域化や効率化について議論をする中から、さらなる事業者間の連携の強化なども含めて、ふさわしい広域化の姿が見えてくるのではないかと考えております。  最後に、都市農業の推進について2点お尋ねをいただきました。  初めに、県内産農産物の優位性を高める対策でございますが、国内外の多様な農産物が流通している中で、県内産の優位性を確保するためには、新鮮さはもとより、消費者の嗜好に合った品質や、安心感を高める方策が重要であると認識をしております。  このため農業技術センターでは、品質を向上させる取り組みとして、例えば柔らかくて甘いネギや調理用にも適したトマトなどの品種開発を行い、農家への普及に努めております。また、安心感を高める取り組みとして、環境保全に配慮した栽培方法のマニュアルづくりを行っているほか、農協では消費者に対し農薬の使用回数などの農産物の栽培情報の提供などに努めていただいております。  このような取り組みをさらに推進するとともに、農業技術センターが行う新品種の育成においては、いわゆる遺伝子組み換えは行わず、交配による改良を遺伝子解析により効率的に行うことにとどめ、消費者の皆様の県内産農産物への信頼を高めてまいりたいと考えております。  次に、神奈川県都市農業推進条例における、指針策定のフローチャートと推進体制についてのお尋ねがございました。  まず、指針の策定でございますが、条例案では、本県農業推進のための重要項目について、消費者団体、県民、農業者、農業団体、流通関係団体などから幅広くご意見をお聞きするため、神奈川県都市農業推進審議会を設置することとしております。そこで指針の作成につきましては、本年3月に、かながわ農業活性化指針を策定いたしましたので、これを基本として、できる限り早い時期に審議会にお諮りをし、条例に基づく指針としていきたいと考えております。  次に、その推進体制についてでございますが、本庁の関係所属長を構成員とする既存の会議や、市町村・農業団体等から成る地域別の会議などを活用するとともに、指針の点検や新たな重要課題への対応などにつきましては、審議会においてご議論をいただきたいと考えております。  このように、幅広い方々からご意見やご提案をいただきながら、条例が真に実効性のあるものとなるよう努力を重ねていきたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。〔教育委員会委員長(平出彦仁君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 平出教育委員会委員長。〔教育委員会委員長(平出彦仁君)登壇〕 ◎教育委員会委員長(平出彦仁君) 教育委員会委員長の平出でございます。  福田議員のご質問にお答えいたします。  私ども教育委員は、教育委員会の会議とは別に、委員協議会という勉強の場を設けておりまして、未熟な課題や重要な事項につきましては、委員同士、自由に意見交換を行い、事務局に対し指示をするということを行ってきております。  学校と警察との間の情報連携につきましては、個人情報保護審議会の諮問に当たり、委員協議会の場で事務局から説明を受けておりますし、その後も審議会の状況を逐次報告いただいております。私ども教育委員会といたしましては、報告された内容については十分に意見交換を重ねてきているところでございます。  委員協議会の場でも議論をしておりますが、近年、子供たちによる深刻な事件や事故の話題が極めて多く、それらを聞くたびに胸が大変痛みます。今の時代、子供の問題行動の背景には社会や家庭の要因もあり、学校や先生方の努力だけでは対応し切れないものがあると考えております。  子供の問題行動を考えるとき、一人一人の子供の健全な将来のためには、一時的な感傷に左右されず、今その子供にとって何が必要なのかを周囲の大人たちが、ともに考え、チャンスを逃すことなく、必要な支援をしていくことが最も大切なことであると確信しております。  そのような考えから、非行にかかわった一人一人の子供の立ち直りの支援や被害に遭うおそれのある子供の安全確保を図るためには、保護者と学校と警察が協力し、具体的で適切な指導を行うことが極めて必要であると考えております。そのために青少年の健全育成を目指し、学校と警察が、必要な範囲で、情報を共有することについては理解できますし、協力して子供の指導を行うことや、場合によっては家庭への働きかけを行うことも必要であると思っております。  なお、今回の諮問に当たりましては、事務局も、私どもの意見を十分に踏まえ、審議会へ臨んだものであります。  以上、私から答弁させていただきました。〔教育長(引地孝一君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 引地教育長。 ◎教育長(引地孝一君) 教育関係についてお答えいたします。  学校と警察の情報連携についてのお尋ねでございます。  犯罪や非行を繰り返す子供たちの将来や、被害に遭うおそれのある子供の安全確保を図ることを考えますと、早い時期に、保護者だけでなく、警察と連携して立ち直りに向けた支援等を行っていく必要がございます。教育委員会と警察本部とは、子供たちの健全育成という同じ思いを持ち、今までも学校警察連絡協議会を初め、さまざまな組織、会議等で連携してきたところでございます。  いわゆる双方向の情報連携につきましては、平成16年2月に、県警本部からお話をいただきましたが、子供たちへの指導をより充実させていくために必要であるとの共通の思いに立ち、教育委員会と県警本部との間で協議を進めてまいりました。そして、平成16年12月に、個人情報保護審議会に対して、双方向の情報連携について諮問を行ったところでございますが、その後、平成17年1月、3月の審議会において、委員の皆様から学校から警察への情報の提供については、校長により判断の違いが出るのではないかなどのご意見をいただいたところでございます。  こうした審議の状況も踏まえ、学校から警察への情報提供については、今後もう少し時間をかけて検討することといたしましたが、将来の、双方向を見据えながらも、子供たちのためには、早急な対応が必要であると判断し、学校が警察から情報を収集するという、いわゆる一方向の情報連携へと諮問内容を変更させていただきました。今回、個人情報保護審議会から、諮問内容をお認めいただきましたので、引き続き細部について調整を進めてまいりたいと考えております。  なお、この間の事務レベルでのやりとりにつきましては、口頭で適宜報告を受けておりますし、節目節目には諮問案や説明資料を文書としてまとめさせ、決裁等の事務手続をしているところでございます。  次に、学校と警察の情報連携を一度白紙に戻すべきとのお尋ねでございます。  子供たちの非行防止や健全育成のためには、学校や警察がそれぞれの立場において取り組みを進めていくことはもちろんでございますが、共通の目的を持つ学校と警察が連携していくことがさらに効果的であり、今後はこれまで以上に連携していかなくてはならないと考えているところでございます。  この情報連携は不幸にも犯罪行為を繰り返している生徒に対し、学校として、積極的に子供の立ち直りや再発の防止に向けて取り組んでいきたい、さらには、被害に遭うおそれのある子供たちを守りたいという学校現場の声を受けたものでございます。私は、このような問題に直面して取り組んでいる現場の声を大切にしたいと考えておりますし、私自身もまた、弱い立場の子供たちを何としても守っていきたいという強い思いを持っているところでございます。  したがいまして、情報連携については、白紙に戻すことなく、これからも子供たちの健全育成に向け、今までにも増して、子供一人一人の立場に立って警察と協力した取り組みを図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。〔警察本部長(伊藤茂男君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 伊藤警察本部長。 ◎警察本部長(伊藤茂男君) 福田議員ご質問の警察と学校との情報連携につきましてお答えをいたします。  警察と学校との情報連携についての県警察の基本的な考え方は、子供を不幸にしない一つの方法といたしまして、警察と学校が情報を共有し、双方が共通認識を持って、非行防止・被害防止、さらには健全育成を図ることであります。  県教育委員会との協議過程などにつきましては、ただいま教育長のご答弁のとおり、昨年2月に県警察から申し入れを行って以降、警察と学校の双方向の情報連携について意見交換を行ってきたところであります。県教育委員会に対しましては、県警察の基本的な考え方であります、双方向の情報連携の制度を構築することが必要である旨を、協議・意見交換の際にお伝えしてきたところであります。しかし、審議会からの答申もございますので、今後とも県教育委員会と十分話をしてまいりたいと考えております。  県教育委員会との打ち合わせ・会議内容についての議事録は作成しておりません。  続きまして、白紙に戻したらどうかとのご意見、お尋ねでございますが、さきに教育長がご答弁をされたとおりでありまして、ただいま県警察の基本的な考え方をも述べさせていただきました。警察と学校の相互の連携が必要不可欠でありますので、県教育委員会とは、今後より一層連携を深め、未来を担う少年の健全育成に努めてまいりたいと考えております。  以上であります。〔選挙管理委員会書記長(清田浩史君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 清田選挙管理委員会書記長。 ◎選挙管理委員会書記長(清田浩史君) 政治資金収支報告書の閲覧のあり方等についてのお尋ねをいただきました。  まず、収支報告書の閲覧方法についてでございますが、選挙管理委員会におきましては、政治資金規正法に基づき、収支報告書の閲覧に関し規定を定め、あらかじめ氏名や閲覧しようとする収支報告書の団体名を教えていただいた上で、職員がその報告書を保管場所から取り出し、事務室内において閲覧に供しているところでございます。  これは、限られた執務スペースの中で所管しております約2,300の政治団体に係る3年分の収支報告書を効率的に保存し、閲覧に供する必要があること、また閲覧に際して破損等が行われることのないよう配慮するため定めているところでございまして、引き続き同様の方法による対応が必要と考えているところでございます。  選挙管理委員会といたしましては、所管しております政治団体を一覧できる名簿を提示し、閲覧対象の特定に活用していただくといった閲覧者の立場に立った対応に今後とも努めてまいります。  また、収支報告書のホームページへの掲載につきましては、現在、政治資金規正法に係る諸手続のオンライン化が進められておりますので、その推進状況を見据えながら、県としての対応を検討してまいりたいと考えております。  次に、収支報告書の要旨の公表事項のあり方についてでございますが、公表事項は政治資金規正法施行規則に定められており、収入については各項目の総額や寄附の内訳等、また支出については各項目の総額を記載することとなっております。  議員ご指摘のとおり、支出の明細につきましては、要旨の公表事項とはなっておりませんが、政治資金規正法では政治活動費の内訳が記載されている収支報告書本体の閲覧ができることとされており、これにより、要旨の公表を補う措置が講じられているところでございます。どの事項を要旨の公表項目とすべきかにつきましては、政治団体の収支の公表のあり方にかかわることでございますので、選挙管理委員会といたしましては、各政党・政治団体間や立法府の場において幅広い論議をしていただくべき性格のものと考えているところでございます。  以上でございます。〔福田泰子君発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 福田泰子君。 ◆福田泰子君 自席からの発言をお許しいただきます。  知事及び教育委員会委員長、教育長、県警本部長、選挙管理委員会書記長には、ご答弁をありがとうございました。特に教育委員会委員長には、本日ご出席をいただきましたことを改めてお礼を申し上げます。  教育長に1点のみ再質問をさせていただきます。  ただいまご答弁の中で、将来の双方向を見据えながらというふうにお答えをいただきました。ただし、私が先ほど申し上げたように、7月14日に開催された個人情報保護審議会では、教育委員会の担当者が、学校から警察への情報提供に関する諮問は考えていないというふうに回答しておりまして、矛盾をしておりますが、この点について、この矛盾はどのようにお考えでしょうか、ご回答を願います。〔教育長(引地孝一君)発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 引地教育長。 ◎教育長(引地孝一君) 基本的に教育委員会と県警本部は、子供たちの健全育成のために双方向の情報連携が必要であると、そういう思いの中で仕事をさせていただいております。そこで、個人情報保護審議会のこれまでの審議経過の中でも、いろいろとご意見もいただいておりますし、こうしたご意見を踏まえるとともに、現場の声を聞きながら双方向の情報連携を目指してまいりたい。私が一番いつも気にしていることは、加害は気がつきにくく、被害は忘れにくいと、一番弱い子供たちを守りたいというのが私の思いでありますので、ぜひその点について深いご理解をいただきたい、このように考えております。  以上でございます。〔福田泰子君発言の許可を求む〕 ○議長(牧島功君) 福田泰子君。 ◆福田泰子君 ご答弁ありがとうございました。  この問題については慎重に対応していただきますようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。 △《本会議録-平成17年9定-20050922-026022-諸事項-議案付託・決算特別委員会設置等-》 ○議長(牧島功君) 以上で、質問並びに質疑を終わります。  お諮りいたします。  日程第1及び日程第2につきましては、この程度で、お手元に配付いたしました議案付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(牧島功君) ご異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれては、慎重審査の上、その結果のご報告を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 次に、お諮りいたします。  日程第3につきましては、この際、35人の委員で構成する決算特別委員会を設置し、これに付託して、閉会中も引き続き審査を行うことにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(牧島功君) ご異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次に、ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任を行います。  委員の選任につきましては、神奈川県議会委員会条例第8条の規定により、本職からご指名いたします。        馬  場  学  郎 君        いそもと  桂太郎 君        福  田  紀  彦 君        小野寺  慎一郎 君        桐  生  秀  昭 君        小  林  常  良 君        北  井  宏  昭 君        大  井  康  裕 君        福  田  泰  子 君        ふじた  ちえこ 君        岩  崎  尊  之 君        嘉  山  照  正 君        藤  井  深  介 君        森     正  明 君        土  井  りゅうすけ君        杉  山  信  雄 君        向  笠  茂  幸 君        岩  本  一  夫 君        倉  田     仁 君        茅  野     誠 君        金  子  武  雄 君        安  藤  博  夫 君        舘  盛  勝  弘 君        水  戸  将  史 君        木  内     要 君        小  山  和  洋 君        田  島  信  二 君        松  田  良  昭 君        安  斉  義  昭 君        斉  藤  ゆうき 君        服  部  圭  介 君        新  堀  典  彦 君        桐  生  忠  一 君        村  上  健  司 君        東  野  陽  子 君  以上のとおりご指名申し上げます。  決算特別委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果のご報告を願います。  なお、ただいまの決算特別委員会の委員長及び副委員長を互選する委員会は、10月4日午後1時から、議会大会議室において開催いたしますので、ご了承を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 次に、日程第4、請願第70号 私学助成等について請願外5件を議題といたします。  請願書の朗読は省略いたします。〔本会議録巻末86頁参照〕  お諮りいたします。  以上請願6件につきましては、お手元に配付いたしました請願付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(牧島功君) ご異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれては、慎重審査の上、その結果のご報告を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 次に、日程第5、議員派遣についてを議題といたします。  お諮りいたします。  日程第5につきましては、お手元に配付してあります議員派遣案のとおり、派遣することにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(牧島功君) ご異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。   ─────────────────────────────────────── ○議長(牧島功君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  9月26日から10月4日までは、委員会における審査等のため休会いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(牧島功君) ご異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次回の会議は、10月5日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後6時38分 散会...